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『テセウスの船』後出しじゃんけん的レビュー


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22日、『テセウスの船』最終回が放送されました。視聴率は19.5%。一回目からほぼ右肩上がりに数字を増やし続け、最後まで走り切ったかたちです。もちろんこん冬クールのドラマではナンバー1の数字でした。

 

しかし、そもそもこのドラマは前評判はそれほどではありませんでした。一説によると、TBSは春からの『半澤直樹』に力を入れていて、予算も人員もそっちに持って行かれているという話もありました。たしかに〝主演・竹内涼真〟って日曜劇場的にはちょっと、という印象です。

 

しかし、そんな下馬評をくつがえして、放送直後からの評判は上々でした。ネットのレビューサイトではぶっちぎりの高評価。終盤にこれまて驚異的な伸びを見せた『恋つづ』も、最初の何回かはさんざんな評価でしたし、『トップナイフ』も何とか2ケタはキープしていましたが、今クールの医療モノの多さの中に沈んだ感があります。とにかく数字的にそれほど突出していたわけではありませんが、視聴者レビューでやたらと皆が誉めていた印象があります。

 

視聴者を捉えたのは常に涙目で奔走する竹内涼真の一生懸命さと脇で支えた鈴木亮平の演技力に尽きます。初回でいきなり死んでしまうけど、一回目のタイムスリップで変えられた未来には最初他人として登場することになった上野樹里も良かった。

ストーリーも謎が謎を呼ぶ展開で6話ぐらいまでは惹きつけられた。たしかに見ごたえのある作品でした。

 

 

最終回が放送されてそろそろ1週間で、プロのレビューも出そろってきているが、概ね好評価です。真犯人の重責をドラマ初出演の芸人・せいやに託した製作側の姿勢に好意的でした。僕もかなり納得しつつ読みました。ネットニュースでの評判も『澤部に評価二分』とか『整形していたのに未来が変わっても同じ顔の鈴』などのツッコミは目にしていたものの、好意的に受け容れられているのだなあという認識でした。

 

しかし、これを書くのにあたって、3~4話放映時以来レビューサイトを覗いてみると、非難ごうごうでびっくり。評価点のランキングもトップクラスだったのが66作品中32位にランクダウンしていたのです。

 

先に挙げたようなわかりやすいツッコミどころはもとより、原作とは違って最終回まで誰だか犯人がわからないようにしたため、やはり真犯人がせいやだったことに違和感を訴える声が多い気がしました。最終回直前まで校長先生で引っ張ってたもんなあ。あのまま校長先生が犯人だったほうが、おさまりが良かった気がします。笹野さん、さんざん不気味さをまき散らしていたし。

 

最後の最後で、せいやが母と妹に起きた悲劇のくだりを説明するのが、とってつけた感満載になってしまいました。何人かのレビューではいちおう伏線らしきシーンもあったらしいけど、言われてもさっぱりわからなかった。

 

ドラマとしては感動のシーンが多々あっただけに、ミステリーとして失敗しているというたくさんの視聴者の指摘はごもっともだと思ってしまいました。

 

 

また、最後は家族がそろって幸せそうにしているシーンで終わるのはいいんだけど、オリジナルの世界の心さんは死んじゃったんですよね。ラストはかなりせつないはずなのに、その余韻に浸る暇もなく粉々にしてしまう澤部の破壊力www

 

数字の上では大成功なんだろうけど、それってどうなの?と、素直に喜べない結末の作品でした。