シンガポールでの一夜から2か月ほどが過ぎました。
翌朝、真っ暗闇の中で目が覚めました。
シングルサイズのベッドの上にはもちろん気配はありません。
四苦八苦してようやく天井の灯りのスイッチを見つけ出します。
やはりナンは帰ったあとでした。
その後、僕は気ままに旅を続け、ようやくタイに戻ってきました。
中東などハードな場所をずっと旅をしていたので、そろそろ骨休めがしたいという気分。
せっかくなのでタイで1週間ぐらい遊んでから日本へ帰ろうと思っていました。
カオサンに宿を取り、パッポンへ足を延ばしてみます。
ナナやソイカは遠いんで、たまにはパッポンもいいかと。
生き馬の目を抜くパッポンで、たまには痛い目に合うのも悪くないです。
キングス系の一軒の店に入ると、なんといきなりナンと鉢合わせしました。
お立ち台の一番目立つ場所で、踊っている彼女の姿が目に飛び込んできました。
「マジか!」これを運命の再会と言わずして、なんといえば。
ナンはといえば、とくに驚いている様子もなく、ただ微笑んでいました。
これはいかに腰の重い僕でも即ペイバーの流れです。
季節は11月。ロイカトンの季節でした。
タイの灯籠流しみたいなやつです。
ペイバーしたナンを連れてヤワラーの方へ。
店で灯籠を買って、へんな溜め池みたいな汚い池に流しに行きました。
むっちゃ人はいるわ、溜め池は水が流れていないわでしたが、
まあ、風情ってやつです。
ムードはだいじ。
その後、カオサンへ行って二人で飲みました。
その後も3日ほどナンと一緒に過ごしました。
次の日は彼女のキングスでの〝妹分〟を紹介され、
その彼氏だという怪しいファランを加えて4人でWデート。
もちろん毎晩やることをやります。
しかし、残念なことにナンは非常にシャイで、
やることをやるときはいつも真っ暗闇の中でした。
やったんだかやってないんだかよくわからないうちに、
いつも終了。
〝電気はつける派〟の僕としてはけっして本意なえっちではありませんでしたが。
彼女が恥ずかしがるんだもん、仕方がないです。
さて、もうオチはわかってしまったのではないでしょうか。
数年後、このとき撮ったナンのスナップを見てふと、すべてが腑に落ちたのです。
「こいつ、男じゃん」
ちゃんちゃん♪