※本レビューにはネタバレが含まれています。
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ええと、DVDレビューです。毎度浅くてすみませんw
本日のピックアップは「SUNNY・強い気持ち強い愛」です。
公開当時はまったく視界に入っていなかったんですが
(当時、ブラック企業時代だったので、この時期の作品情報は弱いです)、
以前に取り上げた「恋の渦」の大根仁監督作品だったので観てみました。
ストーリーはこんな感じ。
日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高校生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、20年以上の時を経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。 専業主婦の奈美は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香と再会するが、彼女は末期ガンにおかされていた……。
「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。
芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。
裕子、心、梅、そして奈々……、かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?
夢と刺激で溢れていた高校時代と、かつての輝きを失った現在の二つの時代が交差して紡がれる物語は、
ラスト、“強い気持ち”と“強い愛”によって、予想もしていなかった感動を巻き起こす!!
キャストが微妙に豪華です。
ヒロイン奈美(篠原涼子)の少女時代を演じるのが広瀬すず、グループのリーダーだった芹香(板谷由夏)の少女時代を山本舞香。その他、小池栄子、ともさかりえ、池田エライザなどなど。
篠原涼子の少女時代が広瀬すずっていうのがしっくりこない人も多いと思います。
しかし、ストーリーが過去と現在とを行ったり来たりするのにも関わらず、観ていて不思議と違和感はないです。やっぱり演技が上手いんでしょうね。
後で知ったのですが、韓国映画のリメイクなんだそうです。
ただし、げ韓国版は80年代が背景でその時代にヒットしたポップスを音楽に使っているらしいのですが、こちらの作品で描くのは、90年代のコギャルの時代です。
音楽は小室哲也が担当し、「SWEET 19 BLUES」「Don’t wanna cry」(安室奈美恵)、「強い気持ち・強い愛」(小沢健二)、「LA・LA・LA LOVE SONG」(久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL)、「CANDY GIRL」(hitomi)、「survival dance ~no no cry more~」「EZ DO DANCE」(trf)、「そばかす」(JUDY AND MARY)、「これが私の生きる道」(PUFFY)などなどをバックに物語の90年代パートが進行します。必ずしも小室ファミリーばかりってわけではありません。
コギャルがブームになった96年ごろは、学校は出たものの2~3年迷子になっていた僕はようやく定職についてぺーぺーの社会人だった時期です。ま、青春ちゃ青春。
そんなわけで、いろいろ懐かしかったです。
文芸春秋社のビジュアル誌『マルコ・ポーロ』でコギャルブームの特集をやっていたのを思い出します。
93~94年頃で、当時はまだ〝ルーズソックス〟の名称が定着 しておらず、
〝くしゅくしゅソックス〟と書かれていましたw
出会い系なんかでもコギャルは避けて通れませんでした。
深い付き合いになったコはいませんが、何人も一緒に遊びました。
総本山・渋谷のコギャルと比べると、
やっぱり、新宿や池袋のコギャルはうらぶれていたなあw
彼女たちはとにかく明るくて、エネルギッシュでした。
頭悪いコも多かったけど、むしろそういうコのほうが可愛かったです。
当時のコギャルは悪いことをすれば、バンバン稼げたし、
怖いものなんてなさそうでした。
ただでさえ、時代は自分たちを中心に回っていると錯覚しがちの高校時代(個人の感想です)に、ブームだったんだから、その全能感たるやはかりしれなかったでしょうねえ。
まさにコギャル無双。
ストーリーはあえてコギャルのダークサイドは描かず、
破天荒かつ美しい思い出として描かれています。
共感を覚える人は多いはず。僕なんて世代じゃないけど共感しちゃいましたし。
そして、現在──大人になったときのギャップがまた少し哀しいです。
ラスト、芹香が死後に全財産を親友たちに遺したことに違和感があったというレビューもありましたが、彼女は身寄りがなかったという設定なので不自然ではありません。
メンバーの一人、奈々(池田エライザ)を大人になったら誰が演じているのか、
ずっと期待して見ていたらまさかの本人でひっくり返りましたw
でも演出上正解何だろうと思います。
かなり楽しめた作品でした。