↑『半沢直樹』シリーズ前作は観られます(たぶん)
昨夜、第2話がオンエアされた『半沢直樹』。
視聴率は22.01%で第1話の22.0%の0.1%越えという結果に。
これ、ギョーカイでは〝2話の谷越え〟といって、まあまあ快挙なんだそうです。
メディアアナリストの鈴木裕司氏の分析によると、
最近の傾向として、ドラマの1話目は何が何でも見てもらいたいので、
めっちゃ番宣に力を入れる傾向にあります。
だから、どのドラマも1話目の数字はまあまあ良いらしいです。
しかし、2話目以降は番宣も減るし、1話目の〝お試し視聴〟の層もはげ落ちてしまう
ため、1~2割数字が落ちるのがフツーなんだとか。
これをギョーカイでは〝2話の谷〟と呼ぶそうで、『ビューティフルライフ』
『HERO』『GOOD LUCK』等今世紀トップクラスの視聴率を記録した数々のドラマが、
〝2話の谷〟を超えられていないのです。それこそこれをクリアしたのは1作目の『半
沢直樹』ぐらいなんだとか。
もう一点、鈴木氏の分析結果には興味深い点があります。
1話と2話の個人視聴率を見てみると、女性の視聴者が増えているというのです。
未婚女性が30%増、F1(20~34歳)が30%増、F4(65歳以上)13%増、主婦8%増とな
っています。
逆に男性は全体で2.5%減っています。とくにMT(13~19歳)、M1(20~34歳)など、
若年男子からの支持が弱いようです。逆にM4(65歳以上)は6%増と支持を伸ばして
います。
さらに職業別で見てみると、1話から2話にかけて支持を伸ばしているのが、
建設・運輸関係、部課長、一般会社員で、
支持を減らしているのが、金融関係、製造業、公務員など、です。
金融関係者があまり支持していないという点が興味深いですね。
いったいこのことは何を現わしているのでしょうか。
この疑問に応えるヒントを見つけました。
非常に興味深いので簡単にまとめてみました。
経営コラムニスト・横山信弘氏が書いたコラムです。
「いやァ~。古い。あの古さがハンパなく面白い」
「専業主婦と小料理屋の女将だけで、女性がほとんど登場しない。昭和の世界観がすごい」
と、現実にはありえない『半沢直樹』の世界観を〝昭和のもの〟と斬って捨てる職場で
の会話のシーンからこのコラムは始まります。
人気企業ランキング上位にメガバンクが登場したのも今は昔。昨今の銀行にはビッグビ
ジネスをほしいままにしていた頃の勢いはすでになく、物語にリアリティがまったく感
じられないというのだ。
51歳の筆者でさえ、共感しないのだから、20代、30代の現場の若者にとってはさらに共
感なぞできないだろうというのだ、
ちなみに筆者が番組を観ていて違和感を持ったのが〝左遷〟という言葉なのだとか。
テレワークが普及しつつある現実では〝転勤〟すら死語になりつつあるのだといいます。
高校2年生になるという筆者の息子もこのドラマを見てギャグだと思ったようです。
「こんな会社、本当にあるの?」と父親に訊ねたのだとか。
でも、言われてみれば僕も『会社ってこういう感じ?』というぼんやりした感覚で観て
いるわけで、ホントの銀行やら企業がどんなふうに仕事をしているかなんて、知らない
もんなあ。
誰かが『半沢直樹』は勧善懲悪システムを企業ドラマっぽく焼き直した時代劇だって、
言っていたけどもしかしたら、それは正しいかも知れない、と思ってしまいました。
歌舞伎役者がわかりやすく悪役を演じているし。
〝良いドラマ〟だから数字が良い、というよりは、〝わかりやすい〟即ち数字が良いと
いうのが昨今のヒット作品の〝法則〟です。
まあ、面白いのが何よりなんですけど。