「『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む」シリーズの書き直しです。
すでにアナウンスしているとおり、写真や資料の一部は残っているものの、本文はバックアップがなく、一から書き直しです。このパートはけっこう時間がかかりそうです。すみませんがお付き合い願います。
市野沢潤平氏「ゴーゴーバーの経営人類学」を読んでいきます。
本書は現在、宮城女子学院教授である市野沢潤平氏が04年に書いた学術書です。
僕が購入したのはかなり前のことになりますが、いかんせんこういったガチの論文は読みだすと3Pも読まないうちに意識がなくなってしまう体質なもので、ざっと目を通すにとどまっておりました。
なので、ここで少しずつ読みながら、内容をまとめていけば完読できるのではないか、と。僕自身が学びたい部分もあり、とりあげました。
取り上げた理由はもう一つ、著者・市野沢氏自らによる綿密なフィールドワークによりまとめられた、僕たちが目にしたことのないようなゴーゴーバーに関する資料が添付されていることです。これは他ではみられないものであり、この部分だけでも読む価値は充分にあります。
本書のためのフィールドワークは00年前後に行われたものです。当時からすれば、現在のゴーゴーバーを取り巻く環境は、タイの経済的発展や、外国人観光客のさらなる増大、とりわけ中国人勢力の台頭など、かなり変化してはいますが、当時の状況を今に伝える貴重な資料となっています。
僕自身も「読みながら」まとめていく企画なので、本書のまとめ部分・引用などが主になりますが、お付き合いいたたければ嬉しいです。
本書の構成はざっと次のようになっています。
・まえがき
・第1章「本書の射程と視座」……学術研究の流れの中における本書の位置づけ
・第2章「タイにおけるセックスセクター」 …タイの性風俗産業の基礎資料
・第3章「ゴーゴーバー素描」…ゴーゴーバーの基礎知識と資料
・第4章「ゴーゴーバーの市場論」…ゴーゴーにおける個人レベルでの経済取引の観察
・第5章「経済的な関心と親密性」…ゴーゴにおける社会・心理・経済複合的な当事者間の関係
・第6章「<親密性産業>の経営人類学的研究に向けて」…まとめ
・あとがき
ここではまず第一章の学術的な理屈の部分はまずとばして、第2章と第3章から読んでいきたいと思います。本書の中心部分となるのは第4章と第5章です。もちろん、ここも読んでいきたいと思いますけど、僕の読解力が及ばず、力尽きてしまう可能性もあります。ま、やってみましょう。