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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (12) ~ゴーゴーバーは〝バザール型市場〟なんだそれ?~


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イスタンブール・エジプシャンバザール(travel.com)

 

 

本日より第4章「ゴーゴーバーの市場論」に入ります。

この章から本格的に著者の言うところの〝ゴーゴーバーの経営人類学〟が展開されていくわけで、学術書の本領があらわになって来ます。

大学で6年間まったく勉強せず、社会に出てもアルコール漬けでふらふら暮らしてきた僕にとってはハードル高いす。1ページ読む途中で睡魔に襲われてしまうやつです。

ですので、著者の伝えんとするところが伝わらないおそれも多々ありますが、読んでみてください。誤った点などご指摘いただければ有難し。

 

4章の1項は「バザール型市場論」となってます。いきなりわからないですねw

要は、僕たちの常識として頭にある〝価格形成メカニズム〟は近代経済学の主な部分を占める〝新古典派経済学〟の理屈によるものです。

しかし、世界にはその枠組みには当てはまらない市場が多数存在します。

その典型が、値札がなく、取引当事者が直接価格交渉を行う市場です。

そういった市場では、僕たちの頭の中でイメージする市場と比べると経済以外の要因が価格決定に及ぼす影響が大きいのだといいます。全体的な需給などによる価格調整メカニズムが十分に働かず、価格のばらつきや変動が大きくなるのです。

バンコクのゴーゴーバーもこうした側面を見せる市場の一つである」と著者は主張しています。

 

アメリカの人類学者・ギアツはジャワ、バリ、モロッコなどイスラム圏のバザールの市場を研究して共通する特徴を見出し、「バザール型経済」と定義しました。

「バザール型経済」ではわれわれの常識である需給バランスによる価格形成・調整メカニズムが満足に機能しないといいます。それは次のような特質によるものです。

 

1.売り手と買い手が特定の限られた空間に密集している

2.価格・取引条件などの対面交渉

3.不特定多数の取引相手

4.個人対個人の取引(会社などの組織の代理ではない)

5.商品が標準化されたものでなく、かつ商品と取引相手に関する情報が不十分

6.インフォーマル性が強く、正式な手法や誰かに管理されていることがない

 

欲しい品物が売っているけど、それがどれぐらいの価値があるものなのか、売っている相手はどんな素性なのか、そんな中で情報収集のコストと取引リスクをできるだけ軽減するための売り手と買い手の努力が、〝バザール型市場〟では取引のあり方を決定しているというのです。

それではゴーゴーバーがこの〝バザール型市場〟と似ている点を上記の特徴に沿って見ていきましょう。

 

 

1.売り手と買い手が密集する空間

バンコクのゴーゴーバーの特徴は密集している点にあります。

パッポン、ナナプラザ、ソイ・カウボーイのいずれにおいても、ゴーゴーバーは軒を連ねるようにして、まるで専門店街のように建っています。また、その占有面積は狭く、端から端まで歩くのはかんたんです。

つまり、「ゴーゴーバーが密集して周囲から浮き上がった小さな空間が、売り手であるバーガールと買い手である男性客との間の取引の接点を提供する場として機能しているのである」(本書)というのです。

 
2.価格・取引条件などの対面交渉

ゴーゴーバーが店として提供するのはドリンクであり、基本的には女のコをあっせんするわけではありません。

客がバーガールと話したり、店外へ連れ出したい場合には、本人とコミュニケーションしなければなりません。

つまりバーガールとしても客としても、特定の相手との会話を通じた交渉なしにはサービスの売買価格の折り合いをつけて、オフなど次のステップに進むことはできないのです。バーの経営者が正式にこれを仲介することはありません。

 
 
3.不特定多数の取引相手

ゴーゴーバーには小さな店でも10人程度のバーガールがいます。大規模店ともなれば100人以上が店内でひしめきあっています。

また、客への課金はドリンク代のみなので、お客は何軒ものバーをはしごすることができます。j実際、1軒の店でずっと腰を落ち着けて飲む客は少数派です。

そして、バーガールと客の二者間の交渉は、そんなごちゃごちゃした店内で行われるのが常であり、手の届く範囲に他のバーガールやお客がいたりします。つまり、今席に着いているコだけではなく、どんな相手とでも交渉可能だということんいなります。

バーガールにとっても男性客にとっても、取引相手が常に不特定多数である、ということが言えるのです。

 
4.個人対個人の取引

バーガールにとっては、接客もオフに応じることも、基本的には金銭面での利益を得るなど利己的な関心のもとに行っています。彼女らが売り上げをあげることは結果的には店の利益になりますが、バーガールたちは店のために働いているという意識はありません。

従って、バーガールの活動は組織の一員としての自覚をもってやっているわけではなく、工場労働者のような賃金労働のモデルには当てはまらないのです。

 

 
5.商品が標準化されたものでなく、かつ商品と取引相手に関する情報が不十分

サービスの流れがマニュアル化している日本の風俗(あるいはタイのMPなど)とは異なり、バーガールの店外の行動はあらゆる可能性に満ちています。

男性客はそれまでのコミュニケーションの中で予測するしかないのですが、ここでゴーゴーバーが外国人男性専用の娯楽施設であることが大きなポイントになるといいます。

それは互いが話す言語が違うため、理解不足や誤解が生じやすいのです。それはサービス(商品)と取引相手について正確な情報が手に入らないということを意味します。

 

6.インフォーマル性が強く、正式な手法や誰かに管理されていることがない

これまでに述べてきた〝バザール型の市場〟の特徴はインフォーマル性が強まるにつれて顕著になります。

性的サービスはほとんどの国ではイリーガルな存在であり、その好例となっています。

タイの場合でも同様でバーガールと客との取引に店などは介在しないために、何かあったときのリスクはバーガールが負わなければなりません。

また、男性客にとっても、バーガールが盗みをしたり、約束を守らなかった場合の補償はだれもしてくれません。店も警察も頼りにはならないのです。

従って、両者にとって、取引をつつがなく終わらせ、それに伴う危険を回避するためには、自らの判断や、周囲の非公式なネットワークに頼らざるを得ないのです。

 

さて、本日は人類学者のいう〝バザール型市場〟とゴーゴーバーの類似点について、本書にかいてあることをまとめてみました。

もちろん、個人的には「当てはまらないんじゃないの」と思えるところも多々ありますが、違う点に関しても後日述べていくことになると思います。

ゴゴ嬢たちが何を考え、働いているのか。

多少なりともその一部が理解できてきたような気がするんですが。

どうなんでしょう?www

 

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これは「バザールでござーる