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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (15) ~お客の態度によってゴゴ嬢がとる4つの戦略~


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Kings Castle  (Twitterより)

 

 

ゴゴ嬢などのバーガールが、より多く稼ごうと思ったときには2つの戦略のいずれかを選ぶことになります。

一つは、多数の取引相手を獲得する方法。もう一つは1人の相手からより多くの取引をしてもらう方法です。

ある男性客をターゲットにした場合、バーガールたちはその男性の属性に応じて、この二つの戦略を念頭に置きつつ、適切な形で関係を築いていくことになります。

この際の判断材料となる男性客の〝属性〟は二つあります。

 

一つは金離れの良さです。〝あれ〟の交渉のときに支払いを渋るかどうか、買い物をねだったときの反応や、チップやタクシー代などを気前よくだしてくれるかどうかを観察し、取引相手としての格付けをするのです。

もう一つ、重要な男性客の属性は、近い将来にまた会えるかどうか、です。具体的にはその客がどれぐらいバンコクにいるのか、リピートの有無や頻度はどれぐらいなのか、連絡先は教えてくれるのか、などです。

 

これら二つの属性を主な考慮要因とするとき、相手との関係を築くためにバーガールがとる戦略は下図のように模式化できる、と著者は主張しています。

ただし、ここでいう男性客の属性はバーガールの判断材料の一部に過ぎません。

以下の図式において示される四つの戦略はバーガールの思考の一部であり、実際にとられる彼女たちの行動そのものの雛形ではありません。

 

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男性客の属性に応じたバーガールの関係性形成戦略(本書より転載)

 

 

1.商取引戦略

男性客の金離れが悪く、かつ将来的な接触可能性が低い(例えばバンコクに観光で数日来ているだけでまた店に来ることがなさそうな場合など)、と判断された場合、バーガールは商取引戦略をとります。

具体的には1回限りの金銭を前提とした〝あれ〟をオファーすることです。

二度と会う可能性が低い以上、いかにその場で現金を引き出すかということになります。そして様々なサービスをしても金離れが悪いから支払い以上の金額は望めません。

従って、やることをとっととやって相場通りの報酬を受け取れれば御の字、速やかに次の客を見つけることがベストなのです。

その意味で商取引戦略は、多売・高回転率を志向する戦略です。

 

2.収奪戦略

男性客との接触可能性は低いが金離れが良さそうだと、バーガールは収奪戦略をとります。

ミッションが短期間なのと、金銭で〝あれ〟をオファーする点は商取引戦略と同じですが、収奪戦略では〝あれ〟以外にもお客といろいろと行動を共にしようとします。

そして、買い物に行ったりガイド役をつとめたりする中で、プレゼントや小遣いをあからさまにねだって、接触期間中に最大限の利得を引き出すことを狙います。

あまりにあつかましくいろいろねだられると、男性客はやはりいい顔をしませんが、バーガール的には今後の関係を考えていないので、知ったこっちゃありません。

この戦略においても志向するのは多売・高回転率です。利益を吸いつくしたら次のターゲットに向かう貪欲な姿勢は、焼き畑農法にたとえることができるかも知れません。

 

3.日和見戦略

金離れは悪いけど、また来てくれそうなお客の場合、バーガールがとるのは日和見戦略です。

金払いの悪い男性に対してあからさまに金銭を要求するのは本来得策ではありません。関係を良好に継続することを考えれば、お客の好きなようにさせたほうが良く、長期的な視点では獲得できる利益も大きくなる可能性があるのです。

ただし、投資効率の観点から相手に費やすサービスなどの労力は最小限に止められます。要は適当にあしらいながらつかず離れずの関係を作っておき、チャンスが来るのを待ちます。

この戦略はバーガールにとって労力を軽減することができ、このお客をコントロールすることを放棄することによって得た時間と労力を新たな顧客開拓に割くことができるのです。

 

4.多角化戦略

男性客の金離れが良く、接触可能性も高い場合は、バーガールは収奪戦略のようにあらゆる手管で現金を引き出すことを目論見つつ、良好な関係を継続しようと努力することも惜しみません。

機会を見て一緒に飲みに行ったり食事をしたり、客が店を訪れたときには、ドリンクなしでも席で話すなどを通じて自分に対するコミットメントを深めます。

いったん仲良くなってしまえば、気前のいい客ならなにかと金銭的な利得を与えてくれるだろうし、接触可能性が高いので機会を狙って虎視眈々とする必要もないのです。

バーガールは自分の要求をぶつけるだけでなく、お客が何を求めているかを嗅ぎ取って、その延長線上で自分の利益になるような方法を探ります。

時には自分だけではなく相手にも得になるように気を利かせるのです。

次回はケーススタディを通して具体例を見ていきます。

 

 

さて、本日はお客の二つの属性に注目して、バーガールが志向する四つの戦略について読んで来ました。

なんか、まあ夢もへったくれもなくなりますね。でも、こういう現実を頭に片隅に入れておいたうえで、リアルラブがあるのかな、なんて思っています。

実際、こんなにクレバーに考えているゴゴ嬢なんてどれだけいるんだろうという気もします。もっと目先のことしか考えていない気がw

ちなみに僕がいつも食らっているのは〝収奪戦略〟でしょうか。

ぺんぺん草も残らない〝焼き畑〟ですww