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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (17) ~「お母さんが病気で」と言われたら~


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『Baccara』(ピンヘブfacabookより)

 

 

ゴゴ嬢との付き合いが〝えっち〟するだけではない関係になってどんどん仲良くなっていくと、ある日突然〝借金〟や〝金銭的援助〟を申し込まれることがあります。

ゴゴ嬢のビジネス脳的な見方でいけば、手塩にかけて育てたお魚を美味しくいただくやり方の、これも一つのスタイルだといえるのでしょう。

もちろんゴゴ嬢はそうした〝借金〟を返済するつもりはさらさらありません。

そして、そういったお金を引き出す「母親が病気で」「弟が事故で入院」なんて口実も嘘八百だったりもするのですが、男性側は往々にして騙されます。

これは、ゴゴ嬢が嘘をついているとわかったうえで、彼女との関係に水をささないために、大して懐の痛まない額なら出す、というケースや、敢えて貸しを作って要求がそれ以上エスカレートすることをけん制する、といった意味合いもあるみたいです。

男性側も、ゴゴ嬢の言動には常に猜疑心を抱えているため、このあたりの駆け引きは経済的な要素とゴゴ嬢にたいする執着の微妙なバランスが行動に影響をおよぼすのです。

 

僕の場合は一人のゴゴ嬢とそこまで深い仲になったことはないので、お気にから金を無心されたことはありません。

でも、何度も書いてますけど、一度プーケットに行ったとき、出会う女出会う女に「弟がケガして入院した」「父親が重病で」と言われ続けてて面食らった記憶があります。

初対面でそんなセリフを言ってくるって……プーケットのようなフツーの観光地だったら、それでも通用するんでしょうかね?

 

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【ケース5】

ヌウは24歳、東北のローイエット出身だ。ラチャダーの美容院からナナプラザのゴーゴーに転職して3年になる。

ヌウはディスコとビリヤードが大好きで、店を訪れるファランを誘っては遊びに行っていた。そんな付き合いの良さから多くの固定客を持っていた。

その一部はバンコク在住の男性だったが、アメリカやヨーロッパから数か月に一度訪れる客も多いようだった。ヌウは面倒見が良く、そういった客は(他の客とバッティングしないかぎり)自分のアパートに泊めたり、数日間ペイバーしてもらって旅行に出ることもあった。もちろん観光ガイドを兼ねている。

そんなヌウにはある行動パターンがあった。それは帰国直前の男性客に〝借金〟を申し込むことだ。口実は決まっていて「ローイエットの実家に帰るからまとまった金がいる」というものだった。請求額は2000~3000バーツ、多いときで5000バーツだという。

その際には客がいくらかタイ語がわかる相手だと友人に電話をかけさせ、実家で問題が起こっているかのように演じるという〝偽装工作〟をすることもあった。

また、とくに親しい間柄にある客には小細工をせずに素直に「田舎でゆっくりしたい」と言うらしい。

さらに、交通費がいくら、土産代がいくら、というふうに出費の根拠を事細かく説明するので、多くの客は断れなかったようだ。おまけにそれまで何日か一緒に過ごしているので懐具合は知られている。また、ヌウはあくまでも友達として助けを求めるというスタンスで頼むので無下に断ることもできない。

ヌウの試みはかなりの率で成功したようだ。著者はファランの客がヌウに追い込まれていく様子を何度か目撃したという。もちろんヌウはこの〝借金〟を返すつもりなどない。うやむやになるのを狙って、帰国直前に申し込むのだ。要求する額も、相手にとってあきらめのつくような額だったので、それで関係が切れるということは少ないようだった。

そんなリピーターの中で熱心な英国人男性がいて、2人は結婚することになった。

2人はイギリスで結婚式を挙げた後、男性がバンコクで働く、という話だったが、イギリスに渡ったあと、著者は彼女に会うことはなかったという。

 

 

バーガールが時間をかけてお客からの好意や信頼関係を築くことができれば、家族に怪我人が出たという名目で数万バーツの金銭的援助を引き出したり、その男性との婚姻関係を通じてさらに多額の経済的な恩恵に浴する可能性もゼロではありません。

しかし、このレベルまでいくとバーガールの能力や努力だけで、おいそれとたどり着ける境地ではないでしょう。

とくに、結婚にまで至るような出会いは、そんな損得ずくばかりではなく、偶然の出会いにも頼る確率が多いのではないでしょうか。それをラブともいいますが。

アメリカの経済学者・コーエンによると、バンコク中心部で外国人を相手にするセックスワーカーの多くは「大成功は運によってもたらされる」と信じているのだそうです。

著者の経験でも、10000バーツもらったとか、新しい携帯をかったもらった等のプチバブルな客をつかんだ女性に対し、能力や努力の結果だと持ち上げるようなケースはなかったといいます。たいていは「ラッキー」で片づけられてしまうのだそうです。

そして、そんな「ラッキー」が転がっていると信じているから、バーガールたちは大して指名されなくても、ゴーゴーで働き続けることができるのだといいます。

 

ある日、お気にから10万バーツの〝借金〟を申し込まれたらどうしますか? 

リアルラブ、なんて言いつついろいろと計算を巡らせてしまう僕がいます。

実際、8000バーツのバイクも買ってあげなかったもんなあww