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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (20) ~ゴゴ嬢たちの〝友情〟~


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最近何かと評判の良い『Billboad』(HPより)

 

 

第4章「ゴーゴーバーの市場論」、次のパートに入ります。

これまでは売り手(バーガール)ー買い手(男性客)という二者間での商品売買について考察してきました。

文化人類学者の定義する「バザール型市場」においては売り手と買い手の関係以外はあまり重要視されないためです。しかし、ゴーゴーバーという市場においてはそれだけでは市場環境要因の一部しかとらえることはできない、と著者は指摘しています。

では、他にどんな要因が市場環境に影響してくるのか? 見てみましょう。

 

ゴーゴーバーという空間の特徴を思いおこすと、狭い店内に数十人のバーガールがひしめき合っており、彼女らは思い立ったときに好きなだけ会話ができるということが挙げられます。

彼女らはステージに上がっていないときは、好きに店内を歩き回り、また客についている女のコよりも余っているコのほうが多いのでだいたい仲間内ではしゃぎあっていることが多く見受けられます。

また、接客をしている場合でも横から割り込んできたり、場を盛り上げるために親しいコを呼ぶこともあります。

このようにゴーゴーバーの店内では、どんな時間帯でもバーガールたちは互いにコミュニケーションをとり合っているのです。これがバザールとは大きく異なる点です。

バーガールたちは私生活でも職場の同僚たちと緊密な関係を保っています。これは彼女たちの生活リズムと居住形態によるところが大きいのです。

バーガールが仕事を終えて帰宅するのは夜中の3時~明け方5時。昼間は寝ており、午後に起き出して夕方5時には出勤の準備に入ります。ゆえに昼間働いて夕方以降自由になる一般の人々とは接点がありません。

また、バーガールたちは仕事場からあまり遠くない場所に1500~3000バーツぐらいの安アパートを借りて住んでいます。部屋は2人以上でシェアするケースも多く、その同居人はタイ麺の彼氏でなければ同業の友人というのが一般的です。

スクンビットシーロム界隈ではこうしたニーズに合う物件は限られており、彼女らが住むアパートは、バーガールや他の業態のセックスワーカーやホステスが居住者のうち高い確率を占める場合が多いといいます。

このような生活環境でバーガールたちは職場での人間関係をプライベートでも共有しているのです。

 

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【ケース8】

ジェイジェイはナナプラザで働くバーガールだ。彼女は午前2時に閉店すると、近くに住んでいる職場の同僚3~4人とタクシーをシェアして帰る。彼女が住んでいるのはスクンビットのプラカノン地区でタクシーだと60~70バーツほどの距離だ。

プラカノン地区には夜の職業の女性が多く住んでおり、午前2~3時には仕事帰りの女性たちで屋台が賑わう。ジェイジェイはその日の気分で、屋台から料理をテイクアウトしたり、仲間と一緒に食べたりする。その際にナナプラザで働く同僚と顔を合わせることもしばしばだ。

スクンビットソイ71は通常のソイとは異なり、ソイからさらに小さなソイが何本も走っている大きな道だ。それらの小さなソイに点在する安アパートには多くのバーガールたちが住んでいる。

ジェイジェイはアパートで一人暮らしだが、別の階には同じ職場の同僚が二人住んでいる。また空き地をはさんだ隣のアパートには同じ店に勤める仲の良いバーガールが何人か住んでいる。

ジェイジェイは酒を買い込んで友人たちと飲み明かすのが好きだ。たいていは誰かの部屋に行って買い込んできた夜食をつまみに、タイウイスキーやビールを飲む。仲間が3~4人集まるとたいていトランプ賭博が始まる。レートはさほど高くなく一勝負せいぜい40~50バーツだ。

朝まで飲んだ日は夕方まで寝ているが、そうでない日は昼すぎに目を覚ます。掃除や洗濯がなければ午後6時の出勤までは、やはり友人たちと過ごす。アパートの内線電話で誘い合わせ、近所の屋台でブランチを買い込んで一緒に食べる。アパートの1階には雑貨屋があり、酒やビールも売っているので飲むときもある。

出勤時刻になると、仲間たちと連れ立ってタクシー相乗りで出勤する。シャワーを浴びて身だしなみを整え、化粧は店に着いてからする。

店に着いてからも、客に連れ出されなければ親しい仲間と過ごしていることが多い。客の席についていても何かと仲間を巻き込もうとするし、暇なときはもちろんよく話をする。

ジェイジェイはオフされても、ショートであればなるべく店に戻ってくる。そして閉店後、タクシーを相乗りして帰るのだ。

 

 

また、バーガールたちは客にオフされてもホテルに直行せずに、食事をしたり、ディスコやプールバーに寄ることがあります。そんなときには、バーガールも自分自身が楽しむために店の同僚を同行させることがしばしばあります。仕事とプライベートの境界がきわめてあいまいなのです。

仕事熱心で客をつかむのが上手いバーガールほど、店の管理下から離れて自由に行動することが多いので、仕事に打ち込むことでプライベートの友人関係が犠牲になることは少ないんだそうです。

バーガールたちの職場における友人関係は、仕事を円滑に効率良くするためだけのものではなく、きわめて私的な好き嫌いや利害の意識から成り立っている、いわゆる〝お友達〟の要素が大きいのです。

 

ゴーゴーで一人でポツンとしていると、店内をラウンドして声をかけてくる嬢って二人組である場合がけっこうありますね。うち一人を席につけてももう一人は近くをうろうろしていて、隙をみてドリンクを獲りにくるという。

あれって、こういう理由だったんですね。次回はさらに進んだ形でのゴゴ嬢たちの〝連携プレイ〟を見ていきます。

3Pとかではないです。そういうのだったら大歓迎ですけどw