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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (25) ~美人ゴゴ嬢の自在戦略~


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『The Strip2.0』(Twitterより)

 

 

容姿が少し残念なゴゴ嬢は安定的に収入を得るためには、これはというお客との関係を密にして長期的にお金をかせぐ〝選択と集中〟戦略に寄っていく、というのが前回でした。

その一方で容姿の優れたゴゴ嬢は収入を安定させるよりは、それを増大させることを好む傾向にあるようです。そのために一番手っ取り早いのは〝高回転戦略〟です。短期的にはこのやり方が一番効果的です。

以前、【ケース6】で登場した女性はその典型です。ペイバーを勝ち取ると金銭前提の〝えっち〟をちゃっちゃとこなし、できるだけ短時間で切り上げて店に戻る、というパターンです。

 

【ケース6】はこちら↓

www.sergeant-gogo.com

 

容姿さえ優れていればいくらでもペイバーはゲトできますから、一人の客と深くかかわる必要はありません。不特定多数と取引の機会を持つほうが大金を稼ぐことができるのです。

高回転戦略をとるバーガールは一般に男性客を冷めた目で見ており、きわめて情け容赦のない仕切りっぷりを発揮します。「クンニはマイダイ、ハイ挿入、ハイ動いて、ハイシャワー」的なやつ。経験ありませんか?

ただし、こうしたバーガールも相手によっては良い長期的関係を持つこともなくはない、と著者は言っております。

 

容姿の良いゴゴ嬢がみなすべてこのような高回転戦略に走るわけではなく、お金への執着の強さ、〝えっち〟への抵抗、その他性格に応じた要因から、その行動は変わってきます。しゃにむに銭の花を咲かすか、無理せずに自分に興味を持ってくれる客だけを相手にするかは、結局のところ彼女の判断なのです。

複数のバーガールが同じような行動をとっていたとしても、どのような考え方や判断で、どのような価値基準でその行動をとったのかは、一人一人異なるのだ、と著者は述べています。

そして、そのような個人差がもっとも顕著に現れるのが、この〝自在〟戦略をとるバーガールたちなのです。

 

 

【ケース12】

リーはナナプラザ1階の大型店で働いている。色白で中国系の顔立ちをしており、ショートカットの髪をカラーリングして、今風のギャルのようなルックスだ。厚底ブーツで若作りをしているが、26歳である。自分が小柄で幼く見えるので、あえてギャルっぽくしているのだという。

りーはダンサーだが、ほとんど客をとらない。日本人のハゲ(パトロン)がいて、月に40000バーツの送金があるため、お金には困っていないのだ。ハゲは手当のほかにアパートの家賃も払ってくれている。

したがって、リーがナナプラザで働いているのはお金のためではなく、家にいてもつまらないから友達が多くいる店に来ているのだという。

実際、勤務態度も酷いもので、遅刻欠勤は当たり前、店の中では友人たちとムダ話に花を咲かせているだけだ。

それでもぶっちゃけカワイイので、彼女に興味を示す客は多い。リーは気に入った相手とだけ、一緒に遊びに行ったり〝えっち〟をしたりしている。すでに満足な収入はあるので、よけいな仕事は抱え込みたくないのだ。

〝えっち〟のときは相手がお金をくれればもらうが、強く請求することはない。

ハゲに対しては、自分はダンサーとして働いているだけで客はとっていないと言っている。ハゲのほうもリーを100%信用しているわけではないが、あえてツッコむことはない。リーはハゲに対して全く愛情を感じていないので、他の男と遊ぶことに罪悪感はないという。

リーはハゲがふだん日本にいてたまにしかタイに来ないからつき合いを続けているのだという。もしハゲがバンコクに住むことになったら一緒に暮らすのはまっぴらだというのだ。最近、ハゲがバンコクを訪れる頻度が高くなり、リーは憂鬱だという。

……と、そんな彼女の愚痴をよく聞いていた著者に、ある日リーは奇妙なオファーをもちかけた。彼女の現在の部屋とは別にアパートを借りて一緒に住まないか、と言うのだ。家賃は全額リーの負担、ただハゲがバンコクに来たときには、リーは本来の部屋に戻ってハゲと過ごすという条件だった。

著者は最初は冗談と思ったそうだが、どうやら本気らしい。正直心を動かされたものの、丁重にお断りしたところ、それがプライドを傷つけてしまったのか、以来あまり口をきいてくれなくなってしまった。

 

 

このケースではバーガールは特定の男性から多額の送金を受けていながら、気が向いたときには他の男性客とのビジネス〝えっち〟も行っています。彼女は可愛くて人気があるのでどんなやり方でもそれなりに稼ぐことができるのです。

このようなケースでは特定の行動戦略に固執する必要はない。場当たり的に気分で行動パターンを変えるのですが、その行動は必ずしも収入の増大を目的とはしていません。彼女のハゲに対する扱いは最小限の労力で済まそうという意図が透けて見えます。そこには収入の増大よりも面倒なことは避けたいという気分が優先されてしまっているのです。

さらに、彼女が他の男と関係を持つときは、セックスワーカーとして客をとる、のではなく〝浮気〟のようなノリでやっている点にも着目する必要があります。

これは金銭的は損得でやっているというよりは、明らかに私情がはさまった〝気分的〟な行動です。

このようにバーガールたちの日々の行動は、様々な損得以外の関心に誘発されて、現金収入増大への道をしばしば踏み外します。その行動はけっして合理的とは言えないものであることも多いのです。

 

 

リーの話で思い出したんですけど。昔レインボー1を〝シメてる〟と言っても過言ではないくらいの三人組のゴゴ嬢がいて、それはそれはブイブイ言わせていたんです。顔はそうでもないんだけど、スタイルは良くてガンガン踊る姿もカッコ良かったです。

いつもステージの入り口から一番目立つ〝センター〟的な位置に陣取ってガンガン踊っていて、目立つんだけど、なぜかペイバーされている気配がまったくありませんでした。それでいて、クラブに行くと男抜きで遊びに来ていたりして。

一度、その中の一人を席に呼ぼうとしたら、拒否られたんですよね。あからさまに拒否られたのって後にも先にもこのときだけなんで。まあ、とにかく記憶に残っています。いつの間にか三人とも消えちゃいましたねえ。