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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (29) ~ゴゴ嬢は憧れの職業?(後編)~


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『Spankys』(Facebookより)

 

 

地方に住む年頃のタイ人女性、とくにミーハー的な価値観を持つ人にとっては、ゴゴ嬢などのバーガールは都会的、現代的な職業に見えている、というお話。

そんな女性たちにとってはRCAに立ち並ぶクラブや巨大ディスコでの夜遊びは極めて魅力的なようです。暗い店内、煌びやかなライト、大音響のダンスミュージック、そして酒という取り合わせはそんなナイトスポットを象徴するものですが、それはまさにゴーゴーバーです。それが職場なわけですから、ステージで無理くり踊らされるという点を除けば、決して不快ではないはずです。

また、職場の同僚の多くが友人なのです。お客とのオフやプライベートでディスコに行くときも同じようなメンツでつるむことも多いわけで、仕事と遊びの境界はますます曖昧なものになります。お客が自分の好みだったりすると尚更です。

 

 

【ケース14】

ソムはラチャダーのMPで2年働いて店への借金を返し終わったため、ナナプラザのゴーゴーバーへ転職した。MPで働いていたころからディスコが好きで深夜12時に仕事を終えると店の近くのディスコによく通っていた。

ソムはMPの仕事が好きではなかった。重労働のうえに就業時間中はずっと拘束されていなければならない。とくに待機中に〝金魚鉢〟の中でじっと座っていなければならないのが退屈で嫌だった。

そんなソムにとって、ゴーゴーバーは理想の職場に映ったらしい。オフされれば、その時点で店の拘束から解かれるし、店内にいるときもけっこう自由でステージがないときは友人たちと話していられるのもありがたかった。

ディスコ好きのソムには店内のBGMであるダンスミュージックが好きで、気分が乗ればステージでもノリノリで腰を振る。客にオフされたり、懐に余裕のあるときは店が終わってからディスコへ繰り出すこともしばしばだ。

ソムは客の席に着くとなるべく酒を飲まそうとする。自分はドリンク1杯でも、客はたくさん飲むように勧めるのだ。ゴーゴーの客はその後の〝勃ち〟を心配してか、あまり飲まない客が多いのだが、ソムに言わせると酔っ払いのほうが相手をしていて楽しいという。だから、馴染みの客などには自腹で買っておいたタイ・ウイスキーをふるまって客のテンションを上げさせることさえある。

そうやって客を盛り上げておいて、自分をオフしてディスコへ行かないかと誘うのだ。

 

 

ゴゴ嬢にとって〝遊び場〟としてのゴーゴーバー、〝遊び〟としての客とのつき合いという側面はアルコールがプラスされることでよりおおっぴらなものになります。

客がバーガールに飲ませることは、店の売り上げにもドリンクバックとしての収入にもなります。だから、多くの水商売の店がそうであるようにゴーゴーでも奨励されています。また、客のおごりではない場合も、女のコがハイになればお客も盛り上がるので、とくに禁止はされておらず、黙認する傾向にあります。

バーガールすべてが酒好きではありませんが、こういう場では徐々に馴染んでいく場合が多いと思われます。仲の良い同僚たちとお客を囲んでの乱痴気騒ぎは、もはや仕事なのかプライベートなのかわかりません。

バーガールたちは、このように厳格な管理をされずに勤務時間を楽しく過ごせるという点において、その仕事を評価していることが多いようです。カタギの工員やウェイトレスといった単調で刺激のない職場よりは、ゴーゴーのほうが遥かにマシであるという意見を著者は多々耳にしたそうです。

 

店によってはカウンターに女のコ用のボトルがあったり、店の一角にドリンクが置いてあるコーナーがあったりして、女のコたちはそこで飲み物を作って飲んでいることがあります。

以前のレインボー3では、女のコの誕生日や年末などイベント時にはビールやタイウイスキーなどが店の一角に置いてあって、みんな好き勝手に飲んでいました。僕にも作って持ってきてくれたことがよくありました。そんな感じなので、ふだんから泥酔した従業員が多い店でしたが、イベントのときはカウンターの外のスタッフはほぼほぼ酔っぱらっており、翌日は二日酔いで欠勤するもの多数というありさま。面白かったなあ。

そんなふうに飲んでばっかりだったから、ゴゴ嬢にはあまり好かれなかったんですけど;;