【ケース17】
ジュンはソイ・カウボーイで1年前からバーガールとして働いている。店にはたくさんの友人がおり、中には外国人のボーイフレンドを持つものもいる。そういったボーイフレンドたちの何人かは店の常連客であり、ジュンも面識がある。
ある日、そんな友人のボーイフレンドの一人であるジミーが深夜、店にやってきた。ジミーはイギリス人で30歳ぐらいだった。彼がお目当てだったジュンの友人は、その日はすでにペイバーされていたので、顔見知りのジュンが席について相手をつとめた。
ジミーが彼女と店の同僚何人かを連れてディスコに遊びにいったときに、ジュンも連れて行ってもらっていたのだ。
ジミーは給料が出たばかりとのことで、どんどん杯を空けていきジュンや周囲のスタッフたちにも気前よくドリンクをおごった。気前よくふるまう客がいると、バーガールたちもテンションが上がってジュースではなくアルコールをガンガン飲むことが多い。
その日もジュンたちはテキーラのショットを塩を舐めながら何杯も空けた。閉店時間になっても盛り上がりは続いたのでジミーのおごりでディスコに繰り出した。ジミーはそこでも気前よくジョニ黒のボトルを注文し、全員でボトルを空にした。
ジミーは泥酔して足元もおぼつかなかったので、ジュンが彼をタクシーに乗せて彼の部屋まで連れて帰った。ジュンも酔っぱらっていたので、その夜は彼のベッドで寝て、〝えっち〟もしてしまった。
その夜のことはジミーの彼女であるジュンの友人には秘密になっている。もし、彼女が知ったら血を見ることはあきらかなので、ジュンもジミーもそれを恐れている。
このような関係は前出のチャートでは、「カネ的にも、その他の魅力的にも相手の男に関心がない場合」にあたります。
ゴーゴーバーという場所の特性から、狙っていたわけではない相手とも、しばしばこのようなことは起きます。
バーガールは、まあ、それを商売にしている人たちなので深い知り合いでもない男と〝えっち〟をすることに対して、とくに違和感を覚えない場合が多いようです。
たとえカネが派生していなくても、潜在的な顧客となる可能性があれば、一緒に遊びに行ったり、〝えっち〟したりすることも珍しくはないと著者は言っております(ただし、ユルい人と堅い人との個人差は大きいようです)。そのようなシチュエーションは同僚のバーガールに巻き込まれた場合などに起こるケースが多いようです。
ありがちなのは、男性客が複数人で店を訪れた場合、相手となるバーガールも友人グループとなるケースでみんなで盛り上がってどこかへ遊びに行こうという話になった場合などです。そんな集団行動のはてに酔っぱらったりラリってしまったりしてわけがわからなくなって、カネが介在しない〝えっち〟をしてしまう場合があるのです。
男性側からしてみれば、〝ラッキー〟以外の何物でもありません。また、バーガールにとっても、新たな顧客の獲得に結び付く場合があります。とくにふだんは前に出ない性格ゆえにお茶を引く機会の多いようなコには貴重なチャンスかも知れません。
たまたまでもタダで〝えっち〟させてるわけですから、多少の好意を持っている(少なくとも嫌いではない)相手なわけなので、これきっかけで愛人・友人関係に発展することは珍しくないようです。
しかし、基本的には男女のどちらとも長期の関係を築こうという強い意志はないので、とくに男性側がバーガール側に対してあまり魅力を感じていない場合は自然消滅してしまいます。
いいですねえ。こーいう〝人類みな兄弟〟的なノリは個人的に好きです。でも、ゴーゴーで、というのは僕の場合はないですけど。
まあ、店に行ったけどお気にがいなくて別のコを連れ出した、って例はよくありますが、その場合はフツーはカネが派生するわけでこの例には当たりませんもんね。
なんか、お互いにその気はなかったのに、何となくなりゆきで……ってロマンを感じません? こういうことないかなあ。