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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (36) ~バーガールと客の関係④恋愛的関係~


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『Spaice Girls』ボッタくりちゅうい(Crazy House Facebookより)

 

 

バーガールと客の関係4つのタイプ、本日紹介するのは〝恋愛的関係〟です。本書では「恋愛もしくは友愛関係」となっていますが、〝的〟が入っているので恋愛未満の友人関係もゆるく含むということで。ちなみにこの関係になるのは、バーガール側のカネへの執着が弱く、客個人への愛着が強い場合とされています。

 

 

【ケース19】

グンはナナプラザのバーでキャッシャーとして働いている。彼女にはケンジという30代半ばの日本人のボーイフレンドがおり、一緒に暮らし始めて3か月になる。

グンとケンジが初めて出会ったとき、グンはダンサーだった。ケンジは貧乏旅行者で、グンをペイバーして連れ込んだのは安ゲストハウスだった。

その日以来、ケンジは毎晩のようにグンに会うために店へやってきたが、毎回彼女をペイバーする金銭的な余裕はなかった。しかし、そのうちにグンもケンジに愛情を感じるようになっていったという。

だからケンジから「一緒に住もう」と言われたときには躊躇なくそれを受け入れ、彼の要求に応えてダンサーを辞めキャッシャーになった。グンもまた、特定の恋人がいるからにはダンサーとして働くことはよくないと考えていたのだ。

ダンサーを辞めたため、グンの月収は1万バーツを割り込むことになった。二人は生活費を折半している。グンはダンサーの頃と違って、毎日開店前から出勤しなければならなくなった。

ケンジはいつも開店後にグンの店に顔を出す。そして店の隅に座り、一杯のコーラを注文して彼女の仕事が終わるのを待つのだ。ケンジが予告なく店に姿を見せないときは、グンは彼が他の場所で女遊びをしているのではないかと疑うのだ(実際、MPに行っていたことがあるのだが、その事実をグンは知らない)。

コーラ一杯で何時間もねばるのは退屈だろうということで、グンはケンジがナナプラザ内の他の店をぶらつくことは許可している。もちろん他の女をペイバーするのは厳禁だ。

2人の関係は店の誰もが知るところで、2人は夫婦のようだともっぱらの噂になっている。著者がグンにケンジのどこがそんなに好きなのかをきくと、「なぜだかわからないけど、私はケンジのことをとても愛している」という答えだった。

 

 

ケース19のような関係ではバーガールと顧客の間にはきわめて強い愛情関係が存在するため、男性を〝客〟と呼ぶのはふさわしくない、と著者は言っています。

この〝恋愛的関係〟においては、女性から男性への金銭要求は最小限にとどまります。長期的な視野ではカネの面で得になることを期待しているかも知れませんが、それを表に出すことはありません。一緒に暮らす場合には、女性側も経済的負担をすることもあります。このようにバーガールからの金銭的な要求が少なくなるのには、いくつかの背景があるといいます。

 

①女性側にもともとカネへの執着がない

②仕事とプライベートで明確に線引きをしている

③男の経済力を低く見ている

④他の男から十分にカネをもらっている

 

あまりロクな理由ではないですねw しかし、もちろん男性への愛情が強く、相手をつなぎ留めておきたい一心で金銭の要求を控えるケースもあるようです。

このようなケースでは、女性側は金銭面での要求を控える代わりに自分にのみ愛情を向けることを男に強制します。そして極めて強い独占欲や嫉妬心を見せるのです。

ゆえによくあるパターンとしては男の浮気が発覚して修羅場になることです。浮気を防ぐためにストーカーばりの拘束をされることもあります。こうなっては他のバーガールにちょっかいを出すことなんてできませんから、その女性との関係を重荷に感じるようになる男性も多いようです。

 

また恋愛関係までいかなくとも、ある種の友好関係がバーガールと客との間にできることもあります。必ずしも〝えっち〟はなく、食事をしたり遊びに行ったりという関係を通じて馴染みの客になる、というパターンです。

バーガール側も気やすい客が店にいれば、嫌な客から逃げる理由に使ったり、暇なときには話し相手になってもらったりと重宝することは多いようです。こうした関係は店の中ではオープンで、そのような場合は男性はバーガールたちのコミュニティの一員のように扱われます。単なる金づる扱いから昇格できるのです。そうした扱いを受けることに価値を感じる男性客は少なくありません。

 

 

バーガールと客の関係、4つのパターンを解説してきました。前章ではお客と親密な関係になるのはリスク軽減とよりカネを引き出すためだと強調しました。しかし、本章で紹介したパターンが示すのはそれだけでなく、お客個人に対する感情面からの動機もけっこう大きいんじゃないのという話です。〝愛人型〟〝恋愛的関係型〟はもちろん、〝行きずり型〟でさえ、互いが相手のパーソナルにまったく関心がなくては成り立ちません。〝商取引型〟でも男性側は女性への個人的な関心はあるでしょう。

ゴーゴーでの客とバーガールの関係と、通常の商取引でもっとも異なる点は取引当事者が商品ではなく相手に対して私的な感情を持つことが多い、というところなのです。そうした感情のせいで、取引は経済的な文脈から脱線して、ゴーゴー特有の男女関係がそこに生まれるのです。

 

僕ですか?あれだけ入り浸っているんだから、〝恋愛的関係〟まではいかなくとも〝友愛関係〟ではあるのではないだろうかと?

うーん、どうなんでしょう。行けばそこそこ毟られるので、金ヅルから卒業できている気がしないんですけどw