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『ゴーゴーバーの経営人類学』を読む (42) ~ゴゴ嬢、そのジェラシー~


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『Billboad』(HPより)多用してますな。写真がいいんです、この店。

 

 

ゴーゴーという場所は客と嬢がデキちゃいやすい環境らしいです。

この場合の〝デキちゃう〟というニュアンスは必ずしもツルーラブな間柄ということではなく、他の女(もしくは男)の介入を許さない1対1の関係ということ。つまり「あたしがツバつけた男に色目使ってんじゃねえよ、この泥棒猫が」ということです。

もちろん、それはゴーゴーという場所が常に男性客を巡って競争状態に置かれている弱肉強食のウェルカム・トゥー・ザ・ジャングルであることに由来しています。ゴゴ嬢にとってイケてるファランor日本人男性を恋人に持つ(昨今では中国人や韓国人も含まれるのかも知れません)ことは、激しい競争を制し百獣の王として君臨することに等しいのです。

一般にゴゴ嬢は一度関係を持った客は「自分のもの」として囲い込む傾向があります。そもそもは経済的な理由からそうするそうですが、しばしばそれはメンツの問題として認識されているようです。仲間から〝自分の客〟として認知されている男をNTRされることはゴゴ嬢の自尊心をいたく傷つけます。

しかしながら、男のほうはたいていはたくさんの可愛いコとやりたくてゴーゴーに来ているので、放っておくとあちこちで寝ます。ゴゴ嬢もそんなことは百も承知なので〝浮気〟をさせまいと目を光らせます。

ジェラシー・モードに入ったゴゴ嬢はすっかり感情的になっており、もはやカネが惜しいのかメンツが大事なのかそれとも男に本当に惚れているからなのか、自分でも見境がつかなくなっているのです。

 

【ケース24】

ミチオは30歳の日本人男性でタイ在住だ。現在は無職で貯金を食いつぶす生活をしている。彼は整った顔立ちと茶色く染めた長髪でぱっと見は20代くらいに見え、ナナプラザでは知られた顔だ。

ここ半年でほとんどの店には顔を出している。しかし、生活費の節約のため、頻繁にゴーゴーには行くものの、ほとんどペイバーをしたことがなかった。

そんな彼に〝彼女〟ができた。ある店で知り合ったバーガールと一緒に住むことになったのだ。

彼女は名前をヌイといった。彼女はミチオに手当てを要求することはないが、頻繁に店に会いに来ることを要求した。ただそ、そのときは彼女にドリンクを買うことすらする必要はなく、ただ座っているだけで構わなかった。店のバーガールたちは皆ミチオのことを以前から知っているので、あちこちから視線を浴びることになる。しかし、そこで自分に興味があるバーガールと話をしようとすると、ヌイは目ざとく見つけて怒るのだった。

また、週に1~2回オフしてくれと頼まれる。ヌイは閉店後にミチオを連れて飲みに行くのが好きで、飲みに行った先で他のタイ人女性に「彼氏はタイ人かと思った」と言われては悦に入っていた。

ある日、ミチオの〝浮気〟が発覚した。他の店のゴゴ嬢をペイバーして1500バーツでやることをやったのだ。その店はヌイが働いていた店の姉妹店だったので、翌日にはヌイの知るところとなったのだった。

ミチオはペイバーしたのはそのコに以前世話になったことがあり、彼女がお金に困っていたので助けたのだ、と弁解したが怒り狂ったヌイには通じなかった。彼女はミチオの携帯を取り上げ〝浮気〟相手のゴゴ嬢の番号が登録されているのを見つけると逆上して携帯を叩き潰した。

ヌイはその日以来、ミチオが姉妹店に出入りすることを禁じ、自分の店に頻繁に来るよう要求した。その際には必ず自分にドリンクを買わせるようにもなった。ペイバーさせる回数も増え、その際にはいつも決まってミチオの手を握りながら他の店の前を横切って帰っていくのだった。

 

 

男性不信が昂じると逆に〝自分だけを愛してくれる男性〟を求める〝幸せ願望〟を持つようになることがあるそうです。ゴゴ嬢も同様に〝幸せ願望〟を持っているように見える、と著者は述べています。

多くのバーガールたちは「相手が自分を本当に愛してくれて、誠実につき合ってくれるならば、お金にはこだわらない」と言うそうです。しかし、ゴーゴーを訪れる男たちはカジュアルな性的娯楽を求めてやってくるわけで、〝誠実な恋愛〟の対象としては信頼に足る相手ではありません。

ゴゴ嬢たちもそれは理解しているのですが、うまくいった例も見聞きしているため、現実とのギャップが彼女たちの〝幸せ願望〟をより強いものにしているのだろうと著者は言うのです。

さらに、多くのバーガールが過去にタイ人男性との結婚生活に失敗した経験を持つことも、彼女らが外国人とくっつきたがる傾向に拍車をかけているのだそうです。