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シャーデーのはなし (2)


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https://alphabet-home.com/bangkok-times/area-phloenchit-chitlom/ より)

 

 

翌朝、ナナホテルの僕の部屋からシャーデーは颯爽と帰って行きました。

ドアまで見送った僕はベッドに戻り、彼女との激しい夜の余韻に浸りながら昼までの惰眠を貪るのでした。

その日以来、僕のタイでの滞在は彼女一色のものとなりました。

一人の女のコとこんなに毎日べったりになるのは、初めてゴーゴーでペイバーしたナナプラザ『REDLIP’S』のファー以来です。その後はリピートしたコもいましたが、基本とっかえひっかえでした。

初日はロングのお金をあげましたが、2日目からはデート代以外出すことはなくなりました。

 

シャーデーと一緒に初めてパタヤにも行きました。今では信じられないことですけど、なんと日帰りです。

午前中に出てエカマイからバスに乗ってお昼過ぎ着。ビーチで少しまったりしてからロイヤルガーデンプラザをぶらぶらしました。『Believe It or Not』とか、観ちゃいました。一人だと絶対に入らんのにねえ。

帰りのバスターミナルへのソンテウで夕陽と風を浴びて無邪気にはしゃぐ彼女。そしてそれを見つつほっこりしてしまう僕。まるっきりバカップルモードでした。

 

 

ふだんの彼女はどちらかというとキツイところのない性格でしたが、ふとしたことで違う一面を覗かせることもありました。

どこだが忘れましたがチットロムあたりのショッピングモールに買い物に行ったときの話です。僕は日本の女友達からコスメ用品を頼まれていたので、買おうと思いました。

「これってどこにあるかな?」

友達から預かった雑誌のコピーをシャーデーに見せると、まじまじとコピーを見つめて何やら考え込んでいます。ちょっと気になりましたが、目当ての商品が売っていそうなドラッグストアを見つけたので僕は彼女を置いて店員に聞きに行きました。

無事目的の品を買って戻るとシャーデーの姿がありません。

トイレかな? 慌てて周囲を探すと2~3軒離れたところにあるリーバイスのショップで発見しました。

なんで黙って行っちゃうんだよ?……と怒ろうとしたのですが、彼女の表情があまりにどんよりと曇っているので思わず言葉を飲み込んでしまいました。

「どうしたの?」と尋ねると眉間にしわを寄せたまま、手にしたジーンズを僕に手渡します。

「これ」 

買えということでしょうか。渡されたジーンズの値札のタグを見て僕は腰が抜けそうになりました。

「5、5000バーツ?」そんなにジーンズって高いの? ウイークエンドマーケットだったら500ぐらいでしょ。

そんな高価なものを買うのは馬鹿らしいのですが、シャーデーはてこでも動かなそうな断固たる態度です。

もしかして、僕が彼女にお土産を買っていると勘違いして、それに張り合っているつもりなのでしょうか。いちおう友達に買ったんだよと説明してみますが、もちろん聞く耳をもたない感じです。

 

結局、僕はその5000バーツのジーンズを買う羽目になったのでした。

そのあとはシャーデーの機嫌もなおりましたが、そのときのコワイ彼女が忘れられません。これが噂に聞くタイ女のやきもちなのかと思い知った次第です。

(続く)