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ナンのはなし (2)


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これも森下さんです。

 

 

引き続き07年ごろの話です。

このころ僕はナナプラザ以外にはほとんど行かず、最後は決まってR3でとぐろを巻くのが定番になっていました。

「ジャン、ケン、ポイ!」

タイにじゃんけんってあるのでしょうか?でなければ日本人客から教わったのか、じゃんけんを一番年配だと思われるおばさんウェイトレスが挑んで来ます。彼女とはこの店来始めてからの顔見知りですが、名前は未だにわからないんだな。今さら聞きづらいし。

すると、僕の席の周りにいた数人がそれに応じてそれぞれ片手を出します。

「よっしゃ、勝った!」

僕の正面にいた若い丸顔のウェイトレスが負け、手元のテキーラのショットを一気に呷りました。

ただじゃんけんをして負けた人が飲むというだけのデスゲーム。どこが面白いのかさっぱりわかりませんが、おばさんウェイトレスはこのゲームが大好きなんです。

周りの連中も嫌いではないようで、いつも場はけっこう盛り上がり、僕のテーブルの伝票だけがものすごい早さで増えていくのでした。

 

今日もナンはしれっとこの輪の中にいます。最近は僕が来ると隣に座るようになりました。もちろん僕は悪い気はしないので、ドリンクをおごってセクハラに励みますw

片手を女のコの腿に這わせつつ飲むってゴーゴーの醍醐味ですよね。キャバではこれはできません。

〝死のじゃんけんゲーム〟にもナンは参加するのですが、大負けしないのか、酒が強いのか、彼女が酔って乱れていた記憶はありません。あまり顔に出ないタイプだと思われます。

 

しかし、僕はいつもがっつりデスゲームにはめられて、相当量飲んでいました。

相手は入れ替われるけど僕は毎回強制参加なので、当然です。このゲームの恐ろしいところはペースが死ぬほど早いことです。そりゃそうだ、じゃんけんするだけなんだから。

2時間もいればかなりいい感じに前後不覚になります。当然、もうペイバーなんてする気力はかけらも残っていない状態。まあ、飲み代だけで持ち金がほとんどなくなるってこともありますけど。

 

そんなあるとき、例によってナンのお尻をさわさわしていると、彼女がちょっとあらたまった感じで言います。

「今日はペイバーしてくれるんでしょ?」

「えー、でも今日もけっこう酔っちゃったしなあ(飲み代もスゴそうだし)」

「昨日約束したでしょ?」

「え?」

 

昨夜も僕は前後不覚になっていました。まったく記憶にありません。

きっとテキトーなことを言ったんだと思います。

「やっぱり明日にならない?」

プッと頬をふくらませて上目遣いに僕を睨むナン。明日にはならなそうです。

 

そこへ僕らのやりとりを見ていたビッグ・ファット・ママが助け舟を出してくれました。

「ご飯だけでも食べてくれば?」

ママにそう言われると断るわけにもいきません。まあ、食事ぐらいならいいか。ホテルへ行ってショートのチップを払うよりは安く上がるだろうし。

僕はナンをペイバーすることにしました。

この店でゴゴ嬢をペイバーするのは初めてでした。

(続く)