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ナンのはなし。 (5)


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冨士レストランでの食事会に途中であらわれたナン。

昨夜のことで怒って今日は来ないものだとばかり思っていましたが、どうやら怒っている様子もありません。何なんだ?

 

「昨夜は朝まで一緒だったんでしょ?」

ノイがナンに話しかけています。正確には何を言っているのかわかりませんが、僕の方を横目で見ながらニヤニヤしているので、たぶんそんな感じだと思います。

すると、ナンはよくぞ聞いてくれたという感じでノイにまくしたてています。

いつもはクールな彼女がめずらしくエキサイトしています。察するに、

「それがさあ、まいっちゃうのよー。ご飯だけ食べてバイバイ、だって。しかも、チップもなしで帰されちゃって、期待外れもいいとこ」

そんな感じでしょうか。やっぱり怒っていましたね。

 

食事のあとはボウリングというのがいつもの流れです。ミス・レジスターは営業の準備があるので、ここで店に帰ります。

ボウリングといいつつ、飲みです。今日も巨大なタワー状のビールサーバーが僕らのテーブルにそびえたっています。

さっきまで満腹だと言っていたノイとオーは新たに注文した唐揚げやらソムタムやらにパクついています。「もう食べられない」と僕に残り物をさんざん食わせたくせに、どの口がって感じです。ホント、タイ人って何かと食っています。

しかも、気持ちよく大食いするのではなく、まさに〝食い散らかす〟という表現がぴったりな食べっぷりです。キレイに完食することはないんですよね。もっと食べ物をリスペクトしてほしいです。

 

しかし、さすがにナンはおばちゃんたちみたいにがっついていません。ビールも飲まず、席の隅の方にチンと座っていました。これは謝るチャンスかな。

僕は唐揚げと格闘しているノイを押しのけてナンの隣に座りました。

「昨日はごめん。飲み過ぎちゃってさ。……今日もペイバーするから、一緒にホテルへ行こう」

「ホント?」

ナンの表情がパッと明るくなりました。そうそう。やっぱりキミは笑顔のほうがカワイイよ。

ボウリング4ゲームの間にビールタワーを2本空けてすでにけっこう出来上がってきましたが、これで宴は終わりません。R3へ行って3人分のペイバー料金をはらわなければ。

 

そんなわけで、マーブンクロンからナナプラザへ。

4人でR3へ行くと、そこからまたフツーに飲みが始まります。

すると、手ぐすねひいて待っていたらしい年配おばさんウェイトレスがさっそくジャンケンを挑んできました。

今日はかんべんして欲しいところなんですけど。しかし、仕事がないノイとオーはノリノリです。

今夜も果てしのないジャンケンの宴が口火を切り。

気がつくと僕は一人、服を着たままホテルの部屋でのびていました。

やっちまったなあ。ナン、怒ってるかなあ。

(続く)