R3のウェイトレス、ゴイの誕生日ってことで営業前から店に来て飯を食っています。
どうしておばちゃんっていくらでも飯を食わせようとするのか。
勧められるままに食べていたらお腹いっぱいで動けません。ビールもけっこう飲んでるしな。席でひっくり返っているといつの間にか照明が消えて営業が始まっていました。
ここから誕生パーティ本番なんですが、お腹いっぱいだと飲んでも酔わないので面白くありません。とりあえずさっきまで食ったぶん消化しなければ。
ナンはロッカールームに着替えに行ったきり帰ってきません。
ゴイはと見ればバーカウンターのほうで何人かのファランたちと盛り上がっています。現在の彼氏とその友人たちなんでしょう。
見たところその一角以外は通常営業シフトになっています。まだ全然お客は入ってないけど。
お誕生日の特典はまかないがご馳走なだけではありません。従業員にタダ酒がふるまわれるのです。僕がひっくり返っている一角に小さなテーブルが置かれ、アイスペールやタイウイスキーのボトルや大瓶のLEOビールなどが並んでいました。
2年前に僕が初めてこの店に入った日も、まさにゴイの誕生日パーティ真っ最中でした。飲んだくれている従業員にまざったのが運の尽き、ビールやテキーラをがんがん飲まされたのがきっかけで、ここに通うようになったのです。
しかし、今日はヤムもノイもいないし、ゴイは彼氏と友達の相手で忙しそうだし。そんなひどいことにはならなさそうです。
そのうちナンが黒ビキニ&ブーツ姿に着替えてきたので横にはべらせてセクハラにいそしみます。すると、ミス・レジスターが髪をツンツン立たせた小柄なウェイターを連れてきました。
「このコ、新人。ヤムちゃんと同じ」
トムボーイだってことのようです。何でか知らないけどこの店、ヤムも含め代々トムボーイが1人いるんだよなあ。しかもみんな長続きしないし。こういうふうにトムボーイを紹介されるのも3人目ぐらいです。
ヤムと仲良かったからトムボーイ好きだと思われているんだろうか。よく考えたらこれまでこの店でペイバーしてホテルに連れて帰ったのはヤムだけです。何をしてたかっていうと二人で部屋で酔いつぶれて寝ていただけなんだけど。
ご挨拶ってことで、ミス・レジスターとトムボーイ君にはドリンクをおごって乾杯しました。
ナンへのセクハラを再開しようとすると、名前不詳のおばちゃんウェイトレスがやったきました。うわあ、まだこいつがいたか。
「ジャン、ケン、ポイッ!」
今日も今日とてじゃんけんゲームの始まりです。今日は時間がいくらでもあるのでまともにやっていては地獄です。おばちゃんが仕事ではずしているときは極力じゃんけんは回避する方向で対処することに。
今日は長丁場だと思って気を張っていたので、なかなか酔っぱらわなかったのですが、1時間、2時間と経つうちにかなりいい気分になってきました。
まわりもいつの間にかみんな酔っぱらってわけのわからない状況になってきています。
子犬のようだったトムボーイ君はすっかり狼になってミス・レジスターの耳の穴に舌を這わせているし、どうも僕がペイバーしてしまったらしく、いつの間にかナンはすっかり私服姿になっています。さらにいないはずのノイがいて、ボトルウイスキーの伝票を僕の伝票立ての中に突っ込もうとするのでひっぱたいてやりました。
テーブルの上の僕のビールも小瓶のハイネケンだったはずがLEOの大びんになってるw
正直、このあたりから記憶が怪しいのですが。
閉店まで気を失わずに何とか耐えたみたいです。何度目かのオープンラスト。
そして、ついにその夜はナンとホテルへ一緒に帰ることができたのでした。
昨夜もその前も一緒に帰ったことは帰ったんですけどねw
(続く)