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よるのたび  広州ナイト(1)香港から広州へ


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現在の環市東路付近。あまりに変わっててどこがどこやら。



 

 

 

今回より「よるのたび」シリーズを始めます。

これも元ネタは昔メルマガに書いたものです。

内容は02年に4ヵ月ほどかけて沖縄からイスタンブールまで旅行した話の中から何カ所かかいつまんでまとめたものです。一部(シンガポール編など)はこのブログでもすでに単発ネタとして公開しています。

さらに元ネタは当時のHPに書いていた日記なんですが、この当時はブログという形式ですらなく、本当にHPに日々のことを書き綴ったものでした。

これが残っていればよかったんですけどね。たぶんに漏れずデータは一切残っておりません。メルマガで残っている部分に一生懸命水増ししてお送りします。

 

広州に来ました。

中国は北京、上海などには行ったことがありますが広州は初めてです。

香港から中国の深圳へ入国し、電車に揺られること2時間半。広州東の駅に降り立ち、駅から出て周囲の風景を見た時はけっこうたまげました。

大きなホールやショッピングモール、 そして高層ビルがにょきにょきと建つという、ちょっとした都会の風景なんですが。

何がすごいってそれらすべて、街全体見渡す限りが新築だというなかなかありえない光景。口で言うぶんには大したことないですが、実際に目の当たりにするとかなり異様。特撮映画で怪獣に壊されるセットみたいです。

もっともこのあたりは新興市街だそうで、昔ながらの街並みはここから数キロ離れた場所にありました。

 

駅の前では手書きの立て看板を立てた中年のおじさんがさかんに駅から出て来る人を勧誘しています。僕も捕まりました。

「✖✖✖✖✖✖!!!」何かを一生懸命にまくしたてていますが、さっぱり分からん。

言葉が通じないと見て、おじさんは戦法を変えました。

「ホテル、ディスカウント!」

えっ、ホテル? 10年ほど前に中国に来たときは僕たち外国人が泊れるホテルは限られていて、上海や北京だとドミトリーがある宿もありましたが、たいていはその町で最高級のホテルに泊まるしかなかったのです。だから、バックパックの旅でも宿代だけはそこそこかかったものでした。……と言っても一泊数千円とかそんなもんですが。

「俺、外国人だけどいいの?」的なことを身振り手振りでアピールしても、おじさんはわかったのかわかってないのか、にんまり笑ってウンウンとうなずくばかり。

あれから少しは自由化されたんでしょうか。

とりあえずおじさんが紹介してくれたホテルへ行くことにしました。

 

紹介されたホテルは、環市東路というところにありました。

作りはなかなか立派ですが、古くて一流ホテルという感じではないです。

香港で泊っていたゲストハウスより少し値段は高かったですが、部屋は雲泥の差で立派でした。香港の部屋なんて最初に入ったときトイレにウ○コが浮いてたもんなあ。

 

周囲は高級ホテルや一流企業のオフィスが立ち並ぶ、いわばすかした感じの繁華街といったところです。

繁華街、って言っちゃいましたけどビルは並んでいるものの、商店はあまり見当たりません。通りを越えた荒地のようなところに何軒かの飲食店がポツンポツンとある感じ。

派手なネオンのバーも何軒かあるようです。ふらっと入ってみた一軒のバーではショーやライブなどもやっていました。 特に女のコたちがダンスをやっているところがあって、これがなかなか。

池袋とかのキャバクラでやってる手作り感あふれるショーに近いノリなんですけれども、 とにかく女のコがカワイイんです。

ショーをやっているステージの横には制服姿の公安がいて、 ステージを見張っているところが中国的でした。

しかし、この公安の連中、どうやら飲んでいるようです。酔っ払って何やら店員に威張り散らしているジャイアンを絵に描いたようなやつがいるかと思えば、女のコたちのダンスをいつもかぶりつきで見ているやつもいます。 うーん中国的だなあ(笑)

 

このあたりの特に繁盛している3軒のバーが並んでいる場所はとにかく公安だらけ店の中にも外にもうようよいました。仕事してんだかたかってるんだか。

 

沖縄から船で台湾の基隆に着いてからこっち、台北でも高雄でも、そして香港でも、夜はまったく遊ばずに過ごしていました。

先が長い旅だから、あまりお金を遣いたくなかったというのもありましたが、何となくそんな気にならなかったんですよね。

でも、この町はちょっと楽しそうです。僕は久しぶりに少しワクワクしていました。

 

 

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