ホテルから大通り一つ隔てた、どことなく寂しい感じの街角。
ポツンポツンと派手なネオンサインの飲み屋や食堂が点在しています。
女性がいると思われるバーには公安と思われる制服姿の〝輩〟たちがたむろしており、何を取り締まるわけでもなく立ち話したり、通りがかる店の女のコをからかったりしています。
しかも、公安がたむろしている場所から十メートルほど離れた暗がりには、 明らかに街娼と思しき女性の一団が。
服装は地味でパッと見そのへんの女のコたちと見分けがつきませんが、じっと突っ立っているのでおそらくそういう商売の人だと思います。
公安も何のためにいるんだかよくわかりません。
また、少し離れた高級ホテル、Gホテルの前にも街娼がいました。
でもたぶん、自分のホテルにはこういう人たちを連れ込めないんだろうなあ。
その夜は見るだけで大人しく部屋に帰りました。
以前にネットの情報を調べたところ、
「広州のとある高級ホテルのディスコにその手の女のコたちがたむろしているところがある」 というものがありまして。
それをぜひとも確認したいと思っておりました。五大ホテルの一つ、Gホテル前にまさにそういう女性がいたということは、ネット情報は間違っていなかったことになります。ホテルの中じゃないですけど。
「地球の歩き方」によれば、広州には五大ホテルという高級ホテルがあるとのこと。
五大ホテルのうち、GホテルとIホテルはすぐ近くです。
ちなみに広州の02年当時と現在の様子は相当違っていると思います。昨日街まるごとが新築な光景を見てびっくりしましたが、マジで街の大きさがこの二十数年で倍ぐらいになっています。
東京に例えると山手線の東側に繁華街が集中していたのが、戦後になって新宿、渋谷、池袋あたりも都会になっていったのと似ているのかも知れません。
なので現在では新興市街である天河エリアを中心に大きなホテルがどんどん建って、五つ星ホテルだけで数十軒あるようですが、この当時は〝五大ホテル〟ぐらいでくくれたようです。
翌日の夜、実際に足を運んでみたところIホテルにはディスコのようなところはありません。
Gホテルにもディスコはありませんでしたが、 ショーなどもやっているようなかなり大きめのバーがありました。
さっそく入ってみます。 店内はかなり広く、円形の噴水ステージがあるライブスペースの他、 いくつかのバーに分かれていました。
ステージが見えるカウンターへ案内されます。 ステージではやがてショーがはじまりました。
ステージはバーの中にあるとは思えない規模の、大げさなものでした。
新宿のダメなストリップ劇場が小学校のお楽しみ会に見えてしまいます。
女のコのアプサラ風ダンスやバンドのライブなど、まあ健全なショーです。高級ホテルのバーなんだから当たり前か。 どうも大トリらしい若い男の歌手が山崎邦正似なのが今ひとつです。
前日のバーのショーのほうが楽しかったなあ。
客層はお金を持っていそうな中国人が8割といったところか。もっとも、中国人の中にシンガポール人や香港人が混ざっていても見分けはつきませんがw
ほとんどがカップルや団体で、一人で来ている人間はあまりいないようです。
高級ホテルだけあって、お客さんもみんな上品そうです。酔っ払ってゲハゲハどんちゃん騒ぎをしているようなおっさんは皆無です。
どうもハズレな気がしてきました。考えてみると、ここの従業員はかなりちゃんとしていて客の様子をよく見ています。さっきも女のコたちのステージを写真に撮っていて怒られました。
こんなところにいかがわしい女たちが出入りできるものでしょうか。いやできない(反語)。 なんだか場違いに過ぎます。
2本目のビールを飲み干したら帰ろうと思っていたそのとき。 後ろから声をかけられました。
「はろ~♡」
振り返ると二人連れの女のコが立っていて、にっこり微笑んでいます。
二人とも襟についたシャツを着てはいますが、1人はジーンズ、1人はミニスカというカジュアルな姿です。一瞬お客かと思いました。
ミニスカ姿のコは葉巻の入った木箱を持っていて。こちらに差し出します。 買わないかというのでしょう。
葉巻は吸わないから、と断るともう一人のジーンズ姿の女のコが口を開きました。
「私とダーツしませんか?」
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