ホテルを移りました。
環市東路から離れて珠江のほとりにある沙面地区へ。ここにはホワイトスワンホテルという5大ホテルの一つがあり、その近くのユースホステルへ落ち着きました。
前のホテルからだと旧市街までちょっと距離があったのと、なかなかに殺風景な場所だったので気分を変えたかったというのもあります。
かつて租界だった沙面地区は広州の観光スポットの一つで、石造りの洋館が立ち並ぶ美しい街並みでした。そんなきれいな場所にいても、薄汚れた僕の〝外人相手の女性がいるディスコ〟を探す5大ホテル巡りは続きました。
新たに移ったユースの目と鼻の先のホワイトスワンホテルにもそれらしきディスコはなし。
そして4軒目、Cホテル。
ここの地下にはディスコはありませんが、ある種ランドマーク的とも言えるライブバーがあります。ざっくり言ってしまうと『ハードロックカフェ』です。
もちろん観光名所だし、家族連れも来たりするぐらいなので、本来はまったくいかがわしい場所ではない。
けれどもバンコクのハードロックカフェにはそういう女性もいたので、覗いてみることにしました。
時間が早かったせいか、店内はガラガラでした。しかし、店の隅のほうにちょっと派手めな女性たちが4~5人たむろしています。気のせいか、店に入るなり視線を浴びせられたような感じがしました。
女性たちをジロジロ見たいのを我慢しつつ、僕は彼女らとは反対側のカウンターに陣取りました。
「ハロー、一人?」
当たりでした。止まり木に一人で座って1分後に、たむろしていた女の一人がつかつかと歩いて来て英語で声をかけてきました。
黒のタイトのミニスカ姿。ちょっとびっくりするぐらいケバい化粧をしています。舞台役者か。
年は20代でしょう。ややしゃくれてて美人とはいえませんが、ムチムチしててHそう。
僕的にはけっこうタイプです。
彼女の名前はホン。長春の出身でブティックの店員をしていると言います。
長春には10年ほど前ですが一度行ったことがあり、
英語と筆談、両方使えると意思の疎通は相当にスムーズです。
「ホテルはどこ?今夜は一緒にいたい」
で、ごくスムーズに商談タイム。 もちろんこの手の女性をホテルへお持ち帰りするのはご法度なんですが。
ホンの話によれば、深夜になると客室係から部屋に電話がかかってくるとのこと。
最悪の場合は公安に通報されることもあるらしい。
「でもね、四つ星以上の超高級ホテルなら大丈夫よ。公安は来ないの」
「えっ、ホントに?」
彼女も素人ではないでしょうから、本当なのかも知れません。
けれども僕が泊まっていたのは『招待所』という、星があるのかどうかもよくわからない場所。
英語名だとユースホステルになってます。 連れ込めるわけがありません。
困ってもじもじしているとホンから提案が。
「じゃあ、私の家に来る?友達と住んでいるところだけど」
それは正直ちょっと心を揺さぶられます。
でも……
これでおかしなところに連れ込まれて身ぐるみ剥がれたら目も当てられません。
「今日は駄目なんだ。いろいろ書くものがあって忙しいから」
そんなわけのわからない言い訳でこの日は断念することに。
フットワーク重いなあ。
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