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よるのたび 海南ナイト(4)格安現地ツアーの旅


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少数民族の村の女のコ

 

 

「続いては少数民族の村に立ち寄りましょう」

次にバスから降り立って、旗を持った陳君を先頭にやってきたのは〝少数民族の村〟と銘打ったテーマパークのような場所でした。藁ぶきのテントのような住居や独特の衣裳を着た人たちがうろうろしていますが、テーマパークというよりも土産物店街とでもいったほうが正しい気がします。

建物の大半は土産物店で民族衣装を着た人たちはみんな店員のようです。

「はい、こっちですよー。立ち止まらないでくださーい」

陳君は旗を振り振り大声で皆を先導しますが、皆さんあちこちで土産物屋に引っかかっていつの間にか自由行動みたいになってしまいました。

「こういうのは値切って買わないと駄目なんだ」

僕が品物を手に取って眺めていると、ウルムチから出て来た〝デカパンさん〟こと崔さんがしゃしゃり出て来ました。

そしてやおら、店員の民族衣装姿のキレイな女のコに何かを叫びます。

「✖✖✖✖✖✖✖✖!」

「✖✖✖✖✖✖✖✖?」

女のコは眉間に皺を寄せ、明らかに迷惑そうです。二言、三言やりとりしているうちに、女のコはぷちっとキレてものスゴイ言葉を浴びせたようです。

✖✖✖✖!!!」

これには崔さんもブチ切れて女のコにつかみかかり、周りにいた人たちに止められていました。僕は恥ずかしいのでこそっと騒ぎの中から逃げました。

 

その後また海に出て、追加料金を払った人だけ体験ダイビングを楽しみました。と言ってもライセンスがないのでインストラクターと一緒に生け簀のようなポイントを潜るだけです。それでもカップルの体の弱そうな女のコが体調をおかしくしてゲーゲーいっていました。

ダイビングに参加しなかった人たちは海岸を散歩したり、海の家みたいなところでお土産をかったり、くつろいだりしていたみたいです。

 

その次に立ち寄ったのは、〝工芸の村〟と銘打った土産物屋。お茶を飲まされてさかんにお茶や茶器を売り込まれました。

このやたらと土産物屋に立ち寄る、というのがこのツアーの安さの秘密なのかも知れません。

 

この〝観光ルート〟に乗っているツアーは非常に多いようで、行く先々でたくさんのツアー客と一緒になりました。中でも圧巻だったのはレストランです。

朝、昼、晩とバスでレストランに乗り付けて、そこで食事をとるわけですが、レストランの駐車場には僕たちと同じようなミニバスがひっきりなしにやって来てはツアーのお客さんたちを降ろしていくのです。

体育館サイズレストランには丸い中華テーブルが隅のほうは見えないぐらい、ずらりと並べられており、お客さんは次々にテーブルに着くと次々に運ばれてくる料理を平らげ、食べ終わると去って行くのでした。

その様子はまさに〝流れ作業〟。やっぱり中国はスゴイです。

 

食後に今日の宿に案内されます。バスで連れてこられたのは山と畑に囲まれた場所にポツンと建った民宿風の建物。周囲には笑っちゃうぐらい何もありません。夜は闇に包まれて身動きとれなさそうです。遊びに行こうにも四方5㎞ぐらい何もなさそうです。

ツアーの他のみなさんは基本2人連れなので、僕は必然的に崔さんと相部屋となります。宿そのものは真新しくてキレイなのですが、バスルームは中国式なのかタイでもよく見る前後がよくわからないゾウリムシみたいな便器とシャワーがあるだけでした。

シャワーを浴びる前も浴びたあとも、崔さんが着ているものがまったく変わらないのがちょっと嫌です。たぶん、このまま寝るんだと思います。

 

「これからショーがありますよ」

部屋にはテレビも何もないので、これから朝まで崔さんと二人、何をするんだろうと鬱になっていた僕に陳君が朗報を持って来たのは、シャワーを浴びてしばらくたったあとでした。

(続く)

 

 

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