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よるのたび ホーチミンシティ・ナイト(2)1軒目─VIPのレストラン


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ハノイの夕暮れ

 

 

2泊3日、バスに揺られてハノイからホーチミンへ。

ホーチミンに着いた翌日、こちらで働いている友人のY氏に連絡を入れました。

Y氏は大学時代の同期です。 彼は卒業後、まだ各国の経済制裁下にあったベトナムに裸一貫でこちらに渡り以来ずっとホーチミンで暮らしております。

20代の頃はまだ多かった大学の同期の結婚式や集まりなどにも、彼は一度も顔を出していなかったため、 仲間内ではちょっとした〝伝説の人〟扱いになっておりました。

僕も、大学を出てすぐの頃、彼がまだ日本でバイトしてはベトナムに渡るという生活をしていた頃に会ったきりです。

 

事前にメールで連絡はしており、携帯の番号を教えてもらっていました。

Y氏の携帯はすぐにつながりました。

「あ、そう。じゃあ昼飯でも」

 

僕が泊まっていたファングーラオ通りの安宿街からほど近いホテルのロビーにて待ち合わせます。

30分後、Y氏はタクシーで待ち合わせ場所にあらわれました。

昔はどこか〝レレレのおじさん〟に似た多少は愛嬌のある風貌だったのですが、約10年ぶりにみるその体形はけっこうな貫禄になっていました。

短く刈り上げた頭も中央部が心なしか寂しく。

よく見るともともと人相は良くないほうなので、かなり悪者っぽいです。

まず日本人には見えないし、外国人だとしても堅気の人だとは思えない妙な貫禄が。

服装も白無地の開襟シャツに紺の地味なスラックスという、その筋の人がむりくりビジネスマンっぽい恰好をしてみた、みたいな服装です。もっとも昔の彼は白Tにジーンズしでしたから、彼なりに〝社会人バージョン〟にアップデートしているのかも知れません。

「やあ、久しぶり。じゃ、行きましょうか」

 とりあえず腰が低いところは変わっていないようです。

パッと見人が良さそうだし、腰も低いのでたいていの人は初見で彼を舐めてかかることが多いのですが、そんなに単純な人間ではないことを僕は知っています。

そんなY氏がタクシーで連れて行ってくれたのは1軒家のかなり高級そうなベトナムレストランでした。

 

「ここ、俺の店だから」

とか何とか言って、お金を持っていそうなお客さんたちがランチをしている大きなホールをずんずんと通り過ぎて2階へ上がり、ウェイターに昼間は使われていない個室へに案内させます。

どうも僕の想像を超えて彼はこの国で偉くなっているようなのです。

昔は東池袋4丁目の2万5千円の下宿に住んでいたのに。

その部屋はまったく遠慮する必要がないぐらい汚い部屋だったので、先輩から後輩まで電車がなくなったときに自由に出入りして気軽に寝泊りする部屋と化していました。

Y氏本人が帰省か何かでしばらく留守にして帰ってきたら、どこから入り込んだのか猫が「にゃあ」と鳴いていたという伝説も。

とにかく、そんな人一倍貧乏で虐げられた学生だった彼が……ねえ。

 

ウェイターが次々とうやうやしく運んでくる料理はどれも素晴らしいものでした。

「ここ、小泉首相も来たんだよね」というY氏のプチ自慢も納得してしまいます。

 ロブスターみたいにでかい手長エビやシャコを炭火で焼いたものに舌鼓をうちながら、

昔話に花を咲かせるうちに、ビールはすすんでワインも2本空いてしまいました。

お腹はパンパン、けっこう酔っぱらいました。Y氏も酔っぱらっているようです。

しかし、彼は立ち上がるとニッコリと微笑んでこう言うのでした。

 

「じゃ、次行きましょうか」

 

(続く)

 

 

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