昼から半日以上飲み続け、すでに限界でしたが、仕方なくY氏に付き合います。タクシーでかなり長いこと走ってたどり着いたのは郊外にあるかなり大きなホテルでした。
ホテルのロビーを抜けていくと、奥に1軒のカラオケバーがありました。
カラオケバーというよりはクラブの個室にカラオケがついているような感じ。部屋の内装はピッカピカです。昼間に行ったビアオムはもちろん、3軒目のクラブよりもさらに豪華です。
ビアオムなんかは河原に建てた住居兼用の素ビルにソファーとカラオケセットを強引に運び込んだような店でしたから、同じカラオケというカテゴリーで語るにはふさわしくないでしょう。
通された個室は20畳ほどの広さはあるでしょうか。画面はプロジェクター使用の大画面。本来なら30人規模の飲み会が出来そうです。
そんな部屋の真ん中に僕とY氏の二人でチンと座っています。
しばらくすると〝顔見せ〟に女のコたちがぞろぞろと部屋に入ってきて一列横隊で並びました。その数20人ほど。
いずれもメイクをばっちりきめ、ノースリーブの艶っぽいドレス姿です。
泥と埃だらけのこの国のどこにこんなキラキラの女性がいたんだろうか。
Y氏いわく、この店にいる女性はこれだけではなく、 気に入ったコがいなければ、総入れ替えして何回か並んでくれるそうです。
僕は白いボディコンを着た細身のコを指名しました。昭和の青春ドラマに出ていた女優さんにちょっと似ています。メイクがナチュラルなのか、すごく清楚な感じのコです。
Y氏はややトウがたったかんじの女性を指名しました。熟女好きだったんだね、Y氏。
いかんせんひどく酔っ払っているようで、いきなり胸元に手を突っ込んだりしてひっぱたかれています。
「ここの女のコたちは、このホテルの部屋に〝連れ出し〟できるんですよ。それじゃ」
そう言うやいなや、すでに意識があるのかどうかもあやしい状態のY氏は早々に指名した熟女と上階へ消えてしまいました。
僕はだだっぴろい個室に指名した女のコ、 ~ハンちゃんという名前でした~、と二人ぽつんと残されます。もう飲んで話す気力もないです。
仕方なく?ハンちゃんとホテルへ移ることにしました。
ハンちゃんに案内されて、通されたホテルの客室は、とても〝連れ込み用〟にはもったいない綺麗な部屋でした。今泊っているゲストハウスとは雲泥の差です。
綺麗な白いワンピースを脱いだハンちゃんの肌もまた白く綺麗でした。
左の太ももの内側に龍のタトゥーを入れていて、それがまた艶っぽく。
あんなことやこんなこと、思いつく限りの狼藉をはたらかせていただいて夢のような一夜を過ごし、深夜に一人タクシーで安宿に戻りました。
お城から屋根裏部屋へ。シンデレラの気分です。
ともかく楽しかったことは楽しかったのですが、やはりお値段はそれなりでした。
Y氏が持ち合わせがなかったので、最後の店の代金は部屋に上がる際に僕がカードで立て替えました。
お勘定は320USドル也。ボトルは入れましたが酒はほとんど飲んでいません。
ただ、ホテル代45ドル×2は別払いだったものの、女のコへの〝連れ出し〟チップ70ドル×2はこの中に含まれています。
タイのゴーゴーと比べてみてもそんなに高くはないんだろうけど。ちなみにこのとき僕が泊まっていた宿代は1泊2.5ドルでした。
(続く)
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