〝バンコクナイト〟というタイトルですが、舞台はクアラルンプールです。
バンコク出身のシャーデーとのエピソードなので、クアラルンプールですが〝バンコクナイト〟ってことで。
KLに来て2日目、僕たちは街のランドマークであるペトロナスツインタワーへ観光に来ていました。
「どう?」カメラの前でポーズをとるシャーデー。
「ちょっと待って……。うーん、さっきよりはましだけどなあ」
バックにツインタワーを入れ込もうと、思いっきり地べたに寝転んで、シャーデーを見上げるかたちでを構えるのですが、タワーが大きすぎてなかなか入りきらないのです。
ツインタワーの隣の公園の、ずいぶん外まで出てきてしまいました。
真昼のギラついた太陽が頭の真上から照り付けています。こんな炎天下の公園に人がいるわけもなく、バカなことをやっているのは僕たちだけです。みんな屋内に避難しています。
(これ、完璧にタワーを入れ込むには公園の外にいかないと無理だな……)
この公園でいくら頑張っても無駄なことが判明したので、妥協することにします。
「うん。いいんじゃないかな。じゃあ撮るよ~、はい、チーズ!」
タイ人相手に「チーズ」が通じているのかどうかはわかりませんが、とりあえず撮影して、デジカメのモニターでシャーデーに見せると満足そうです。
ぶっちゃけ、いま一つツインタワーの全景が入りきっていないのですが、まあ、モニター画面は小さいし、フツーの人が見ても細かいところまではわからないでしょう。
とっとと冷房の効いたツインタワーの屋内へ戻ります。
当時、おそらく世界で一番高いビルだったこの建物は、展望台まで上ることができますが、1日の定員が決まっているみたいです。けっこうな人気アトラクションのようで(そりゃあ世界一だし)この日はもう定員オーバーでした。
低層階はショッピングモールになっていて、内外の一流ブランドのショップなどが並んでいるわけですが、バンコクのWTCとかサイアムパラゴンとかエンポリアムあたりをうろうろするのとたいして変わりはないです。
それでもシャーデーがペナンにいたときよりも機嫌が良いのが不思議です。
ご飯もフードコートでぶっかけ飯おかずダブル的なものを食べたりして、バンコクでやってることとほぼほぼ変わらないのですが。
マレーシアの夜は、探せばそれなりに遊ぶ場所は充実しているようですが、やはりイスラムの国だけあって、ゴーゴーとかバービア的なものはないようです。
逆にイスラムの国なのにこれだけお酒が飲めるのはかなりのめっけものだということをその後の旅で実感することになります。
イスラムの国でのあるあるとしてこの国でも、夜の女性はみんな出稼ぎ、というパターンみたいです。まあ、どのみちシャーデー同伴なのでそういうところには行けないんですが(でも、ゴーゴーがあれば全然行っていましたけどw)、そういうのって面白くないですよね。女性は土地土地のひとがいい。
健全カップル(?)としてはバンドの入ったライブバー的なお店あたりが入りやすいところです。クラブでもいいんだけど、シャーデーはこっちのほうがよかったみたい。
「ゴーゴー、踊ろっ♡」
客層はどちらかというとファランでもおじさん&おばさんが多いんですけどね。それでもすっかりご機嫌なシャーデー。
洋楽に疎い僕でも聞けばなんとなくわかるような、カオサンやウォーキングストリートあたりとまったく同じようなナンバーに、僕たちはノリノリで腰を振るのでした。
きわめて健全にふけてゆくクアラルンプールなのにバンコクの夜なのでした。
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