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よるのたび トラブゾンナイト(6)夜這い?する女たち


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こんなにキレイな部屋ではなかったです(Hotels.comより)

 

 

ガンガンガン!

不意に激しくノックされるドア。

時計を見ると、深夜の1時を回っています。 誰だよ?一体。

部屋のドアには覗き窓もチェーンロックありません。いきなり明けるのはかなり嫌なんですが、おそるおそるドアを開けてみます。

 

金髪に鳥の巣みたいなパーマのでっかいおばさんが、仁王立ちしていました。

身長は僕と同じくらい(178㎝)、体重は80はカタいな。高木ブーの雷様か(笑)

 

僕がびっくりしたのはもちろんですが、むこうも僕の顔を見てびっくりしたようです。

「☆○□▲〒♀☆◆◎★!!」

何かトルコ語…いや、ロシア語?(たぶん)で僕に一生懸命話しかけてきますが、わかるわけがありません。

言葉が通じないと見るや、おばさんは片手で握り拳をつくると、

もう片方の手のひらに横にした拳をぱんぱんぱんと叩きつけて見せます。

そして、自分を指さして、次に僕を指さす。

 ああ。なんですぐにわかってしまうんだろう。ジェスチュアというもの(ことシモまわりのものに関しては)はなぜにこうも万国共通なのか。

どうやら『私とセックスしないか』と言いいたいようですね。

態度が妙に自信と誇りにみちているので、 『セックスしませんか?』という提案もしくは勧誘ではなく『セックスしろ』と命令されてる感じ。

『媚び』とか『しな』とか、 男をついふらふらと眩惑させる女性の引力とでもいうべきものがまったくありません。腕自慢のバカヤンキーが「おい、ケンカしようぜ」と誘い合ってケンカするみたいなワイルドで頭の悪い雰囲気いっぱいです。

ここまでサバサバされると、かえって気持ち良くもありますが。

 

おばさんの視線を避けつつ廊下の様子を横目で見ると、 同じフロアにある部屋という部屋の扉を片っ端から7~8人の女性達が叩きまくっています。

 

まるで学生寮に伝わる新入生歓迎のための伝統行事のような光景。先輩が新入生たちの部屋を回り、寝ているところを引きずり出して伝統のシゴキを加える……といったような……。 何か青春小説にでてきそうなワンシーンです。

女性達の中にはGジャン&ワカメちゃんカットの静香の姿も見えます。

静香だったらまだしもなあ。さすがにこのおばさんは無理だわ。

 

まるでそうプログラミングされたからくり人形のように、何度も例のジェスチュアを繰り返すおばさんをいなしながらドアを静かに、そしてぴったりと閉めました。

そのあとも誰かが何度か扉を叩いていましたが、完全しかとで就寝しました。

(続く)

 

 

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