トルネコとの約束をぶっちぎったので暇になりました。
ガラタ橋を渡って新市街探索することにします。
こっちのエリアに『ケルハネ』という政府公認の置屋があるという情報で、実は昨日も探索したのですが見つけられなかったのです。
まあ、見つけたところで外国人は入れないという話なのですが。
今夜も海沿いに1時間ほど歩いてみましたが、やっぱり駄目でした。
とりあえずバーでビールでも飲めりゃあいいや。
新市街の一番繁華なあたりを探します。実は僕の泊まっているホテルがあるブルーモスク付近は、ラマダン中につきアルコール販売禁止だったのです。
まあ、バーで飲めないだけで商店では売ってるんで、 買ってきて部屋で飲むことは出来たんですけどね。
しかし、さすがイスタンブールはバーの数も多い。
でも見ているとやはりバーよりも、 カフェというか、チャイハネのほうがずっと盛り上がってる感じです。この国はイスラムが緩いとは言え、やはり酒など飲まない善男善女のほうが大多数なのですな。
「今、何時ですか?」
そんなバーやカフェの並ぶ路地を歩いていると、 若い男が時間を尋ねてきました。
時間を教えてあげて、 どこから来たとかいつまでいるとか通り一遍の雑談。
「これから友達の店にビールを飲みに行くのだが良かったら来ないか」
ピーボと名乗ったその男が言い出します。
「そのバーはとてもリーズナブルでビールは2ミリオンだし、 もしシャンパンを頼んだとしても10ミリオンだ。とても安いよ」(注・当時トルコは超インフレのため100万トルコリラで区切ってミリオンという単位で呼んでいました。1ミリオンはだいたい70円ぐらいです)
願ってもない。いい加減歩きつかれて喉も渇いていたところです。カラダがビールを欲しています。シャンパンなんか別にどうでもいいんだけどとか思ったのですが、 これ、実は伏線です。よく覚えておくように。
ピーボが案内した先は表通りに面したビルの2階のバーでした。
入り口にはちゃんとクロークがあって係が荷物を預かってくれます。とても〝リーズナブル〟な店には見えません。
店内はボックス席が10席ほど、さらにカウンターとテーブル席がありました。
中央のフロアは踊れる程度にスペースがあり、 太った白人が大はしゃぎで若い女のコと踊っていました。
内装にもけっこうお金がかかっていそうです。やはり〝リーズナブル〟ではないですね。バーというよりはむしろクラブ(アクセントは〝ク〟)だなあ。
客はちらほらで外国人ばかりという感じです。 黒服に席に案内され、僕はビール彼はウォッカチェリーを注文します。
とりあえずかけつけ一気。
(あ”ぁ~っ、しみるぅぅ~~!!)ビール冷えててめちゃうます。
「ところで女のコは好きか?」
ビールだけでご満悦の僕の背中を押すような感じで、ピーボが言い出しました。
「もしよかったらそこにいる女のコたちと話が出来るんだけど」
あらためて周囲をよく見てみると、 女のコたちが暇そうに座っているテーブルがいくつかありました。トラブゾンの自称ディスコのように場内が男女別に別れていなかったので気がつきませんでした。
怪しい雲行きだという空気は読めています。この手口も「地球の歩き方」に載っていたやつだし。しかし、ここはあえて行って見ることにします。貴重品を宿に置いてきているので今日は強気です。
ピーボがウェイターに何かを囁くと、すぐに二人の女のコが僕たちのテーブルへやってきました。
さてさて。
頭の片隅で、ちょっとだけ警報がなっております(笑)
(続く)
(注)最近の情報ではイスタンブールの置屋は外国人でも入場料を払えば入れるようです。ただし、高い料金を吹っ掛けられるなどトラブル多発であまりおすすめではないと聞きます。
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