ナンを怒らせてしまった翌日は例の「富士レストランとボウリングの夕べ」でした。
「午後3時に誰かをホテルの部屋に迎えによこす」と主催のミスレジスターが言っていたので、どうせ3時半だろうと余裕をぶっこいてのんびりシャワーなぞを浴びておりました。
すると、誰かが部屋をノックします。
あわてて腰にバスタオルを巻いてドアをあけるとノイの妹分のオーちゃんでした。
時計を見るとまだ2時半です。いつも絶対遅刻なのにどういうこと?
もしかすると、ミスレジスターが気を回して2時に迎えに行くようにオーちゃんに言ったのかも知れません。うん、それしか考えられない。約束より30分も早く来るなんて。
服を着る間、オーちゃんには部屋の外で待っていてもらい、ソッコーで服を着て出かけました。
「××××× ××××!」
オーちゃんが何事か一生懸命に話しているのですが、相変わらず何を言っているのかさっぱりわかりません。タイ語もちょっとだったら聞き取れるはずなんですが。
ただ、なんとなく「ナン……来ない」と言っている部分は聞き取れました。
そういえば昨夜店で今日のことをミスレジスターと打ち合わせていたときに、ナンも迎えに来るようなことを言っていました。
ふっと昨夜の別れ際に見せた彼女の暗い表情を思い出してしまいます。
気分が一気にどよ~んとして来ました。
やっぱり昨日のこと、怒っているのかなあ。
昨日は何とも思っていなかったのですが、よくよく考えてみるとやっぱり彼女はゴゴ嬢なわけで、ペイバーして食事につき合わせたらいくばくかあげるのは当然です。
やっぱりチップはわたすべきだったよなあ…ウェイトレスじゃないんだもんなあ。
昨夜は僕もしぶしぶつき合わされたという意識もあって、ちっとも思い至りませんでしたがやっぱり僕がひどすぎます。
そんな反省ばっかりしていたら、いつの間にかマーブンクロンセンターに着きました。
しかし、ここでたっぷり30分待たされて、ミスレジスターとノイが合流します。
これ、オーちゃんが時間通りに来れば待たされずに済んだのではないでしょうかw
……ってことは2人は珍しく遅刻ではないわけです。
全員が時間通りに集合しているのに待たされるっていうのはどういうことでしょうか?
まあ、それでもいつもに比べれば待たされていないほうなので良しとしなければいけないのかな。
全員で富士レストランへ。
繰り広げられるのはいつもの光景です。好物の〝海藻サラダ〟を食すミスレジスター、定食を注文してメインと小鉢のキムチしか食べないノイ、そばを注文してぶよぶよにする役目は今日はオーちゃんのようです。
そして食い散らかされた寿司の盛り合わせ。
今日もテーブルの上は生ごみの山みたいな状態になっています。なぜみんなキレイに食べないのか?
僕はといえば、いつものごとく残飯処理班で。
いつも思うし、何度も書いている気がするんですが、みんな絶対に日本食を好きではないと思います。
いや、ミスレジスターだけは好きだと言い張るのですが。
でも、少なくともあとの二人は彼女に付き合っているだけでしょう。
「ハロー」
そこへ淡いブルーのワンピース姿のナンが登場しました。
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