第3回「富士レストランとボウリングの夕べ」の最中に、「来ない」と言っていたはずのナンが登場。果たして昨夜チップをぶっちぎってしまった件をまだ怒っているのか、それとも怒りは解けたのか。
「ハロー!」みんなに手を振りながらナンがにこやかに店に入って来ました。
僕とも一瞬目が合いましたが笑顔でした。ただ、すぐに目線をそらされてしまいましたが。
(もしかして、怒っていないのかなあ)
本当に怒っていたら来ないはず。だってこの会はたとえゴゴ嬢でもチップなしです。
これまでそうしてきたので。…っていうか、昨夜の件を怒っているから「来ない」とオーちゃんに言ったんだと思っていました。
来たってことは怒っていないと判断しても良いのでしょうか。
「昨夜は一緒にホテルに行ったんでしょ? 朝まで一緒だったの?」
ノイがナンの脇腹をつつきながら何かを聞いています。タイ語なのでもちろんわかりませんが、チラチラと僕の顔を見ながら嫌な顔で話しているのでたぶんこんなことを言っているんだろうと。
「それがねえ」ってな感じで、最初は普通にしゃべり始めたナンでしたが、話すうちにみるみるエキサイトしていきます。
しまいにはかなりのオーバーアクションでノイに大声で熱弁しています。あまりの勢いにノイもうんうんと頷くばかりです。
「いや、もうヒドイめにあったわよ。食べたくもない食事につき合わされてそれでバイバイだって。SEXもないしチップもないし、もうさんざんよ!」
そんな感じでしょうか。
やっぱり怒っていました。
針のムシロに座っている気分の僕はノイが残した定食の白ごはんとか、みんなが食べなかった盛り合わせの寿司の残りなどをひたすら食べるのみでした。
そして第2部のボウリングです。ミスレジスターはお店の準備があるのでここでお別れです。メンバーはノイ、オーちゃん、ナンと僕の4人。
前回から不思議に思っていたんだけど、入るときにノイが受付に何かを言ってクーポンみたいなのを買っているんですよね。てっきりそれで遊び代を払うと安くなるのかな~なんて思っていたけど、お会計のときに出す様子もないし。
あれ、何だろう。もしかしてここの代金に謎のクーポン代を乗せられていたりするんだろうか。それを後で換金しているとか……。
そんな考えが頭をよぎりますが、お会計も決してめっちゃ高いわけではありません。
謎です。
そしてボウリングの席にいきなりおっ立つビールサーバータワー。
ボウリングという名の飲み会スタートです。
ノイとオーちゃんはさっそく勝手に注文したソムタムやから揚げにパクついています。
どんだけ食うんだ。僕はといえば先ほどの残飯でお腹が膨れて食べたくないです。
ナンは二人ほどがっついてはいませんが、やっぱりソムタムをつついています。
タイ人、残すくせに食べ続けるんだなあ。
そういえばナンにはいちおう謝っておいたほうがいいですよね。
僕は一人離れて座っていたナンに声をかけました。
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