ナンにゆり起こされて目が覚めました。
午後３時からゴイと遊びに行く約束をしていたところ「二日酔いだから５時からにしてくれ」と言われ、時間つぶしにベッドでごろごろしているうちに本格的に眠ってしまったようです
時計を見るとすでに５時を回っています。携帯を見ても着信履歴はなし。
ためしにゴイに電話してみましたが出やがりません。
「お腹空いた」
ナンがそう言うのでナナ駅に近い例の屋台村のような場所へ。
ナンはここがお気に入りみたいです。
例によって盛り多めのカオパットを２人でシェアしてパクついていると携帯が鳴ります。ゴイからです。
「××××！ ×××××！！」
英語で何やらまくしたてているのですが、何を言っているのかよくわかりません。
おそらく今日はいけない、ごめんなさい、というような感じのことを言っているものと思われます。理由はまったくわからんけど。
さて。予定がまったくなくなってしまいました。
正直、富士レストランに行かなくて済むのは少し嬉しいですがｗ
「ビリヤードしたい」
ナンが言います。彼女の遊びのバリエーションはそれぐらいなんですよね。お酒は飲めるけど飲みに行くほどではないみたいだし、クラブなんかにもあまり興味がないようです。ショッピングもわりとどうでもいい感じだし。
ナンが妹分のゴゴ嬢、ジーンを呼び出して年末に行ったバーで３人でビリヤードをしました。
ジーンは昨年末あたりに入ったコのようです。じゃんけんゲームのときに顔を見たことがあります。ただ、たいてい僕の横にはナンがいたので話したことは１～２回しかありません。
３人で数ゲームした頃に携帯が鳴ったようで、ナンが携帯を手にあわてて店の外に飛び出していきました。
僕はジーンと２人で玉を撞きながら昨年末のことを思い出していました。
(そういえば前回もナンがゲームの途中でいつの間にかいなくなって、煙草を喫いに店の外に出たら、たまたま彼女が深刻そうに電話をしているのを見てしまったんだっけ…)
あのときは戻って来たナンに何かあったのか尋ねても何も教えてくれませんでした。
あとで聞いてみようと思ったけど結局聞きそびれたままです。
確か弟がどうとか言っていたような気がします。でも弟じゃないんだろうなあ。
また見てはいけないものを見てしまいそうだったので、僕はナンを探しに行かずにそのままジーンと球を撞き続けていました。するとナンが戻ってきました。
やはり前回同様に様子がおかしいです。落ち着きがありません。
「ごめんなさい、弟が問題を起こしちゃったみたいで…。私、一度家に帰るから先にジーンと一緒にお店に行っていて」
そういうと自分の荷物を持ってさっさと出ていってしまったのです。
突然のことにジーンもあっけにとられていました。
いったい何があったのでしょうか。
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