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RAINBOW3ものがたり(55)ナンの事情


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『Erotica』は外のバーの宣伝のみ(twitterより)

 

 

 

08年夏です。もはや長い休みになると当たり前のようにタイに来ています。

数年前までは楽園を求めてわりといろんな場所に出かけていったものですが、結局タイが一番楽しいという結論に僕の中では落ち着いております。

シンガポールなどのように都会すぎることもなく、カンボジアやベトナムのように田舎過ぎることもないほどほどな感じがいいんだと思います。

まあ、どの国もチラ見したていどだしヨーロッパにはほとんど行ったことないので、いっぱしの口を叩くのもはばかられるところではありますけど。

 

今回は初日からネットで知り合った同年代の会社員・Sさんと合流する約束でした。

彼は別名〝壊れた人工衛星〟と呼ばれるほどのマイラーで修行と称して年中飛び回っています。このときもスリランカからサンフランシスコ往復旅の途中とのことでした。

 

以前にも待ち合わせたことのあるナナホテルのロビーで待ち合わせ、Sさんは久しぶりだというナナプラザへ繰り出します。僕は例によってお土産の大荷物持参なので1軒めはR3に寄ってもらいました。今回は前回よりも増えて手提げの大きな紙袋2つに加えてお土産運搬用に持ってきたリュックを背負っています。

「サンタクロースみたいなことになってますよ」とSさんに笑われてしまいました。

…とくに反論はありません。

 

お土産の傾向は前回とほぼ同じです。前回ロイズのチョコを渡したらゴイが「小さい」と不満そうだったので安いけどとにかくかさのあるやつを買ってきたぐらい。

あと、お土産をあげる相手もなんだか増えています。

 

おばさんはこういうものはまったく要求しない人なのですが、やはり彼女に何も渡さないのも変なのでやはりゴイと同じサイズのチョコレートを買ってきました。

ただ、あまり顔もわからないウェイトレスに要求された着物一式(前回ミスレジスターにあげたのを見て欲しくなったらしい)はさすがに却下しています。

ナンには前回最後にチップをちゃんとあげなかったので、そのぶんも含めてティファニーの安いネックレスを買ってきました。

 

ところが今日はゴイもナンも姿が見えません。おばさんはいつも通りいましたが。

ゴイはちょいちょい休むようなのであまり気にも留めませんが、ペイバーされた翌日以外でナンがいないのは珍しいです。

 

「ナンはどうしたの?」と僕が来るなり当然のように隣に陣取ったジーンに聞いてみました。

すると「ナンはもう来ない」と言います。

びっくりして、ミスレジスターに「ジーンは辞めたの?」と聞いてみましたが、口を濁して詳しいことは教えてくれませんでした。仕方なくジーンを問い詰めると、ぽろぽろとナンが抱えていた諸事情について教えてくれたのです。

 

どうやらナンは彼女が「弟」と言っていた彼氏に辞めさせられたようです。

一緒に暮らしていた彼氏はかなり嫉妬深い男だったようで、彼女がお客にペイバーされることを非常に嫌がっていたとのこと。

だからふだんは彼女は客にペイバーされないようにしていて、僕のような金払いの良さそうなお客(実際はそんなに金払いよくないけど)にだけ「大切なお客さんだから」ということでときどきペイバーされていたとのことでした。

 

それでも僕がナンをペイバーしているときに何度か電話してきたように、お客と一緒にいるときにしつこく電話してきて「帰れ」ということも多かったみたいです。

彼女がナンバー1とは言わずともこの店で5本の指に入るぐらいの容姿なのに、他の客にペイバーされているところを見なかったのにはそんな事情があったのでした。

 

ゴイやノイはそのあたりの事情を知っていたのでしょう。だからナンをペイバーしたときにはホテルへ連れて帰るよう僕に勧めたようなのです。

だから僕が彼女をペイバーするときは、彼女が稼ぐ数少ないチャンスだったわけです。それなのに僕はたびたび彼女にチップを渡すのを忘れたり、ホテルへ連れて帰らずに帰してしまったりしていたのでした。

 

いくらお酒を飲むのが楽しかったとはいえ、彼女に対するぞんざいな扱いの数々は後悔してもし切れません。

僕が朝早く起きなければならないときは起こすためにずっと起きていてくれたナン。

本当は稼ぎたいのに僕が酔いつぶれたときには黙って部屋に送り届けてくれたナン。

美しいだけでなく、そんな優しい彼女にもう会えることはないのでしょう。

 

タイ初日のR3ではいつも馬鹿飲みするのですが、その晩はいつも以上に飲んでしまいました。お会計は相当いったはずですが、おそらくSさんとは伝票を別にしていたと思います。

1軒目で意識が飛んでしまい、そのあとのことはよく覚えていません。

 

 

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