容姿端麗スタイル抜群のモデル級ダンサーだという〝コヨーテ〟。
本来であればタイ富裕層向けのコヨーテクラブに行かなければ会うことのできない彼女たちですが、なんとコヨーテがいるゴーゴーバーがあると聞いて,ソイ・カウボーイまで足を延ばしました。ソイカはとんとご無沙汰していました。
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ソイカに着いたのは7時過ぎでした。
ナナではゴーゴーなんかまったくやっていない時間ですが、ソイカではハッピーアワーなので『Tilac』前のテラスのバービアなんぞはファランで満員御礼です。
お目当てのコヨーテがいるという店は『SPICE GIRLS』。
この店も店前のバービアはけっこう繁盛しています。期待に胸を膨らませて店に入ってみるとそこには衝撃的な光景が──。
いえ、ぶっちゃけたいして衝撃的ではないです。ステージ上では数人のゴゴ嬢たちがやる気なさげにゆらゆらしていたのですが、老若取り揃えた実に幅広い年齢層の顔ぶれだったというだけです。
まるで銭湯に来てしまったかのような光景。思わず10年前のもっとも寂れていた時期のソイカを思い出してしまいました。若いコも可愛くないし。
でも、本格的な営業前のこの時間だったら、こんなもんでしょう。
「ハロー。こんにちは」
誰も案内してくれないので、勝手に席に座ると大柄でガタイの良いママとおぼしきおばさんがやってきました。すごく悪い人の顔をしています。
僕がタイでスゴイなと思うのは悪い人の顔をしている人は、本当にたいてい悪い人だということです。実は良い人だったという日本だとありがちなサプライズがありません。まあビッグファットママは例外ですけど。
「この店にコヨーテがいるって聞いたんだけど」
「まだ来てないよ。それより私と乾杯しましょ♪」
自分のドリンクを注文する前からドリンクをたかられてしまいました。
そんな段階で断るのもとても断りづらいのでついついOKしてしまうんですが。
隙あらばさらにたかって来ようとするママとウェイトレスの相手をしながらビールを飲んでいると、やがて9時出勤の女のコたちがちらほらとやってきます。
中には長身でスタイル良さげなコもちらほら。彼女たちがコヨーテなのでしょうか。
これはショーを見るまで帰るわけにはいきません。ママたちのたかり攻撃に必死に防戦しているとようやくショーが始まりました。
セクシーな衣装に身を包んだ5人のダンサーがステージに現れ、ユーロビートに乗って踊るのですが……まあ、……こんなもんかなあ。
たしかにふだんのゴゴ嬢たちのやる気のないゆらゆらダンスよりは気合も入っているし、ちゃんと踊ってはいるんですけど。
踊っている〝コヨーテ〟たちが今ひとつフツーなんです。ちょっと可愛いめのゴゴ嬢っていう程度でこれだったらR3のトップ5を並べたほうがましかな、と。
しかし、1人だけ目立っているコがいました。紗倉まな似のアイドル顔にのびのび育った感じの迫力ボディ、手足も長くかなりスタイルがいいです。
僕は横にいたウェイトレスに彼女を連れてくるように頼みます。さんざんドリンク飲んだんだからそれぐらい働いてほしいものです。
ショーが終わると沙倉まな似は僕の席にやってきました。
「ハロー、サワディーカー」
近くで見るとおっぱいもかなりの迫力です。LBを疑いたくなりますが、たぶん違うでしょう。いや、違うに違いない。
「好きなだけ飲んでよ」
「ありがとう。でもコヨーテのドリンクは高いのよ」
高かろうがなんだろうが強欲ママや便乗ウェイトレスにたかられるのを考えれば、はるかにましです。僕が構わない、と言うと彼女はニコッと微笑んでドリンクカウンターへ行き、青い液体が半分ぐらい入ったグラスを手にして戻ってきました。
「乾杯~」
それからずっと沙倉まな似と楽しくおしゃべりしました。彼女はバンコク出身の21歳で学生なんだそうです。この仕事は最近始めたばかりなのだとか。
僕はすっかり彼女を気に入ってしまったので、ペイバーしたい、と言うと、
「コヨーテはペイバーできないのよ」と、あっさり断られてしまいました。
そうなのか……orz 肩を落としてお会計をすると、なんと3000Bオーバーでした。
普通だったら1000Bちょっとぐらいのところです。沙倉まな似がコヨーテのドリンクが高いことを事前に教えてくれていたので早めに切り上げたのです。
調子に乗ってR3で飲むような感じで他のコヨーテ嬢も呼んでガンガンいっていたら、どうなったことやら。
想像するだけで背筋が寒くなります。
形ばかりの似非コヨーテと不当に高いドリンク価格の『SPICE GIRL』。そしてその系列である何店かのゴーゴーは、こののち何年かにわたって〝ぼったくり店〟として名を馳せることになるのです。
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