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RAINBOW3ものがたり(70)地獄のバンセーン(その4)


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      こんなとこだったっけ?(タイ政府観光庁HPより)

 

 

 

朝の浜辺でビールで乾杯。

すでにぎらぎらと照り付けている太陽、あんまりキレイではないけど青い海、そして徹夜明けとまだ少し残っている酔い。

 

いろんな要素があいまって、「気持ち悪い」(でも吐けない)よりも「ビール旨い」のほうが断然勝ってしまっているようです。

飲み過ぎるているので味は微妙ですが喉から胃に降りていく感触がたまりません。

うめ~~~~^^

 

そうして飲んでいるうちにだんだん楽しくなってきちゃいました。

ゴイやボブとはカタコト英語でしか会話できないし、サル顔男にいたってはまったく会話できないはずなんですけど、めちゃめちゃ話が盛り上がっている気がするから酔っ払いって最強です。

そうやって楽しく飲んでいたのですが、電気がパチンと消えるようにいつの間にか記憶が途切れます。

 

暑くて苦しくてうなされたあげく、目が覚めました。

いつのまにか僕は意識を失っていたみたいです。

空を見ると太陽はだいぶ高く上がっていました。ビーチマットの上で寝ていた僕の身体は太陽が動いたせいで左半身が日陰からはみ出してしまっています。暑いわけだ。

 

身体には膜が張ったように重い汗をびっしょりかいていました。薄い青だったシャツは紺色になっているし、頭も水を浴びたぐらい濡れています。パンツの中もえらいことになっているようです。

 

ゴイたちはまだ飲み続けていました。僕が目を覚ましたのを見ると、

「ゴーゴー、海へ行こう!」

と、手を引っ張って海へ連れていこうとします。僕はふらふらで動きたくなかったのですが、汗まみれで不快すぎるのでとりあえずついていくことに。

 

ゴイは長袖シャツに短パン姿でざぶざぶ海へ入って行きます。周りで水遊びをしているタイ人たちも似たような恰好です。みんな水着は着ないんですね。まあ、おばはんの水着姿はどうでもいいけど。

 

浜は遠浅なのでとりあえず膝上ぐらいまで波が来るところで海に漬かって汗を流します。もちろん頭のてっぺんまで漬かりました。

不快さはかなり解消しましたが、やっぱり泥酔状態みたいです。地面がぐらぐらするので早々に上がりました。

 

パラソルのところまで戻ると、さっきは気づかなかったのですが陣地がふえています。

子供、老人を含む5~6人の家族連れがいつのまにかジョイントしていたのです。

「ハーイ、ゴーゴー!」

家族連れの真ん中にいたデコッパチ似のおばさんがニコニコと手を振っています。

ビアというR3のウェイトレスでした。そういえば彼女は一昨日に店で会ったときに「明日、田舎から家族が来るから旅行に行くの」とかなんとか言っていましたっけ。

ゴイと彼女がしめし合わせてここに来たのか、偶然会ったのかはわかりません。

もしかして、一昨日のあれは伏線?

 

ビア一家の席を見るとまだ着いたばかりのようで、あまり手をつけていない料理と酒が大量にあります。

「じゃあ、とりあえず乾杯しようよ!」

ゴイやボブ、サル顔男たちもくわわって再び宴会がはじまりました。

 

 

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