今日のお話は「フォンのはなし」の中で、僕が酔っ払ったフォンをペイバーし損ねた夜の翌日に起こったお話です。
僕はフォンをペイバーしにR3に行かず、よそで遊びほうけていました。
結局、こんなことをしていたから、フォンに二度と会えなくなってしまったわけで。
ですので今回はR3はまったく出てきませんが、そういう流れのものとして「番外編」としてお送りします。
2年ほど前に1度書いたネタですが、リライトしてお届けします。
その夜、僕は職場の後輩のMくんNくんと『Scratch Dog』に遊びに来ていました。
同店はアソーク近くの『Windsor Suites Hotel』の地下にあるクラブで、店をはねたゴゴ嬢御用達の店としても知られてします。
僕はクラブなんて柄じゃあないんですが、僕よりも7~8歳年下のMくんとNくんはクラブ好きで日本でもよく行っていたみたいです。
彼らはバンコクに来ても夜な夜なあちこちのクラブへ行っていたみたいですが、ここが一番お気に入りだったようで、僕も彼らと一緒に何回か来ていました。
やっぱりゴゴ嬢を始め水商売関係のタイガールが多いのがよかったのでしょう。
クラブだとなかなかお酒ががっつり飲めない店もあるのですが、ここはボトルを手元に置いてかっつり飲めるので僕も好きでしたw
しかも、珍しく今日は隣の席のパッと見清楚な感じの20代ぐらいタイ人女性があきらかにエロいオーラを明らかに僕に向けて発散しており、ちょっとドキドキしていました。
ここはフロアに小さな箱がいっぱい置いてあって、そこをテーブル代わりに立って踊るなり飲むなりするスタイルなのですが、そのタイガールは少しずつ僕にすり寄るように近づいてきており、ちょっと前からほぼ密着状態なのです。
いや、おそらく酔っ払っているんだと思います。足元ふらふらしていますし。
体勢的には僕が彼女の背後から重なるようになっているので、彼女のお尻の柔らかな感触がこちらの大事なところを刺激していて、すっかり元気になってしまっていたのでした。こんなところではしたない。
(これはもしかしたら誘っているのかな……? 声をかけてみるべきか……)
彼女は男女4人連れのグループで来ているので、なかなか声をかけづらいところ。
「ちょ、待てよ! お前、そこのお前だ! この野郎!」
不意に近くで怒声が響きました。
フロアにはEDⅯが大音量で流れているので、ほとんどのお客は気にしていないようでしたが、日本語の怒鳴り声はやはり日本人の僕には入ってきます。
(あれはMくんの声だな。どうしたんだろう? まさかキムタクの物まねってわけじゃないだろうし……)
周りを見るとさっきまで僕の横にいたMくんの姿が見えません。
探しますが、真っ暗闇の中でストロボライトだけが激しく点滅しているこのフロアではなかなか見つかりません。すると数m先に何かを追いかけて暗闇の中に消えて行くMくんの姿がコマ送りのように確認できました。
数分後、興奮醒めやらぬ様子でMくんは戻ってきました。
「いや、あの女がいたんすよ」
誰を追いかけていたのか聞くと、Mくんは苦々しげにそう言ってテーブルのウイスキーコーラ割りを一気に呷るのでした。
(続く)
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