↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
00年代の「大人のパーティ」に関するお話です。
それからモモカとはよくメールでやりとりするようになり、すっかり僕とモモカはつき合っているような感じになっていました。
少なくとも僕の中では。
ときどきモモカは僕の部屋へ来て、泊まっていきました。
かなり遠いところに住んでいるので、なかなか都心へは出て来られないようです。
「学校って忙しいの?」
「今学校は休んでるんだよね……」
詳しい理由は教えてくれませんでしたが、休学して地元の飲み屋でバイトをしているみたいです。
そのバイトで忙しくて、なかなか時間がないのだと彼女は言っていました。
一度、モモカの家に行ったことがあります。
モモカの家は渋谷から私鉄に乗って終点ちかくまで乗った場所にある駅で降り、さらにそこから20分ほど歩いた場所にある2階建てのアパートでした。
錆びた鉄製の階段を上った1Kの部屋。この場所だったら家賃5万、いや築年数からすると4万円しないかも知れません。
6畳ほどの部屋の半分ちかくをベッドが占め、残りのスペースもカラーボックスやローテーブルでほぼ埋まっていました。
そして、人が存在することができるはずのそれらのわずかな隙間も、脱ぎ散らした衣服やゴミなどで埋まっています。
ローテーブルの上は化粧品と鏡でふさがっていて、飲み食いするときはそれらを端に寄せてスペースを作っていました。よく見るとベッドの上にも使用済みなのか選択済みなのか謎の下着やTシャツなどが散らかっています。
歴代の僕の部屋もここまで散らかったことはありません。
「散らかっていてごめんね。片付ける暇がなくて」
そんな言い訳をするモモカでしたが、床やベッドの上に散らかっているものぐらいだったら今すぐにでも片付けられると思います。
たぶん片付ける気などないのでしょう。
それでも、いつもの流れでやることはやってしまう僕です。
疲れて眠ってしまったモモカをベッドに残して、ローテーブルの横で煙草を喫っていると、妙なものが目に留まりました。
(これ、どう見ても男物のパンツだよなあ)
やはり使用済みなのか洗濯済みなのか謎な男物のトランクスが、フツーに落ちていたのです。ちょっとくしゃくしゃになって。
これまでモモカがここへ男を連れ込んでいても別に不思議はないのですが、その男はここでパンツを脱いで帰っていったのでしょうか。
さらによくよくそのへんに散らかっているガラクタを見ていると、手錠や明らかに荷物の結束用ではないカラフルなロープもガラクタの中に見え隠れしています。
ローテーブルの上に何気に置いてある大量の空の錠剤シートも気になるなあ……。
また、これだけごちゃごちゃ物があるのに、僕が貸した10冊以上の本が1冊も見当たらないのが不思議。
翌朝、モモカに男物のトランクスについて聞くと、
「ああ、あれ元彼が置いていったの」
と事もなげに答えていました。手錠やロープはSⅯ関係のお店でバイトしていたときのものなんだそうです。
1~2か月後、モモカとは急に連絡が取れなくなり、それきり会っていません。
アンザイさんにも聞いてみましたが、忘年会以来連絡をとっていないとのこと。
またかよ、って感じです。
今回はモモカのアパートを訪ねることもしていません。遠いし。
それより本を返して欲しいです。
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