↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
00年代の「大人のパーティ」に関するお話です。
「二丁目に行く」と言ってやって来たんですけど連れて来られたのは二丁目からずいぶん離れた場所にあるショーパブでした。
半円形のステージを囲むようにテーブル席が並んでおり、客は6分ほどの入り。
僕たちはわりと中央のほうの席に通されました。
「あら~アンザイちゃん、きてくれたのお~?」
僕らの姿を見るやドラァグクイーンみたいに派手なチュチュ姿の女性?が駆け寄って来ました。
「アンナちゃん、ひさしぶり~♪」
さっそく2人はぺちゃくちゃとおしゃべりに花が咲いているようです。
この日一緒に1軒目から飲んでいる同伴ボーイズはクワタくん。
大学生ですけどちょっと老けていて、今で言えば米津玄師みたいな魚系の顔をしているのにナルシストです。振る舞いがいちいち男前なんですけど、けっこういいやつで僕はわりと仲良くしていました。
「こんな店初めて来たよ。クワタくんは来たことある?」
「ここは僕も初めてなんですけどね。アンザイさん、最近二丁目がマイブームであのアンナちゃんってコも二丁目で知り合ったみたいですよ」
やがて暗くなってショーが始まりました。
アンナちゃんとかいうニューハーフもバリバリ踊っていました。
衣装は派手すぎですけどけっこうキレイです。
「よっしゃ、次行くよっ」
ショーが終わるや否や席を立つアンザイさん。どうやらここはとりあえず顔を出しただけだったみたいです。あわててお会計をする僕。
2軒目(最初にご飯食べていたところからカウントすると3軒目)は、本当に二丁目のど真ん中にあるビルでした。
1フロア1テナントというペンシルビルの中にあるバーです。
ちなみにこの日はここまで僕の車でずっと移動しております。
仕事帰りだったし、そんなに何軒も飲み歩くとは思っていなかったので、つい車で来てしまっていました。当時はまだ飲酒運転の罰則が厳しくない時代だったので、僕も普段からわりと平気で車で飲みに行っていました。
そんなわけで、店を1軒移動するたびにいちいち駐車場に行って車に乗って、移動して、駐車場を探してという感じなので、とても面倒くさいことになっています。
「ケメちゃん、こんばんわ~」
「あらーっ、レイコじゃな~い。いらっしゃ~い」
店の中にはケメちゃんと呼ばれたオカマが1人。お客は誰もいません。
ちなみにレイコというのはアンザイさんの下の名前です。
「最近アンザイさん、このケメコっての仲がいいんですよ。家にもしょっちゅう出入りしていますよ」
クワタくんが解説してくれます。
ボーイズもそうですけど、ちょっと仲が良くなるとアンザイさんは誰でも家に出入りさせていました。良くも悪くもオープンなんです。
ちなみに僕も何度か行ってご飯を食べさせてもらったことがあります。
パーティの忘年会だか新年会だか忘れましたけど、飲み会をやったこともあります。
「レイコ今日は男2人侍らせちゃってるワケ?」
「まあ、どっちもブサイクなんだけどねー」
アンザイさん謙遜してるつもりかも知れませんけど、それってフツーに僕らをディスってますよ。
ブサイク呼ばわりされたクワタくんは露骨に不機嫌になってるし。
「そんなことないわよー。こっちのコはけっこういいオトコだし、こっちの彼も……二丁目ではモテるわよ。そういうジャンルがあるから」
ケメコさん、それ、全然フォローになっていないす。
「とにかく出会いにカンパーイ!」
出会いって誰と誰のだ?
そして地獄の釜のフタが開いたのです。
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