↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
00年代の「大人のパーティ」に関するお話です。
その夜、僕の携帯が鳴ったのは深夜3時を回っていた頃でした。
僕はといえば、たぶんいつも通り1時ぐらいに帰宅して遅い晩飯を食べつつ、焼酎を飲んでいたと思います。
またかかって来やがったか、と少々鬱になりながらも電話をとります。
「ゴーゴー?」
「うん」
声を聞いた瞬間、いつものトーンと違うなと思いました。
病んだ内容の電話でもわりと攻撃的的というか、人のプライベートにずかずか踏み込んで来る感がすごいんですけど、そういうのがありません。
「悪いけど、今すぐ来てくれない? 」
「ええ~っ、今から? 今は家?」
「ううん、銀座の××ホテルなんだけど……ちょっと一人じゃいられない感じなのよ」
フツーであれば、そんな時間から飲みにつき合わされるのはかんべんですけど(まあ僕も飲んではいますが)、とにかくいつもと様子が違い過ぎるので嫌な感じがします。
人一倍薄情な人間である僕ですが、これはやはり、行かざるをえないシチュエーションなんでしょう。
まあまあ酔っ払っていましたけど、車で銀座へ向かいます。
この当時は都心に住んでいたので20分ほどで××ホテルへ到着。ホテルの駐車場はすでに閉まっており、近くにコインパーキングも見当たらないのでホテルの真ん前に路上駐車して教えられた部屋へ向かいます。
「ゴーゴー!」
部屋のドアを開けるやいなや、アンザイさんが体当たりするように抱きついていました。うん、やっぱりヘンだ。
テーブルの上には飲みかけのウイスキーのボトルとビールの空き缶が数本、散乱しています。
この日はここでパーティをやっていたはずなんですけど、女性会員やスタッフが散らかしっぱなしで帰るわけがないので、これらのゴミはアンザイさんが1人で飲んだものと思われます。
「A子のヤツがオトコ使って脅して来たのよ…」
何も聞いていないのにアンザイさんはしゃべり始めました。
A子というのは先月あたりまでパーティに来ていた30代ぐらいの女性で、なんとなく北関東系の水商売のオーラがあるコでした。
少し前まではアンザイさんとはかなり仲が良くて、パーティにも毎回いたような気がします。まあ、僕は毎回はいないんですけどねw
アンザイさんが言うには、最近A子の言動に苦情を訴える女性会員が複数いたとかで、出入り禁止にしたんだそうです。
アンザイさん自身もたぶんA子が鼻についてきたんでしょう。
すると、2時間ほど前にA子のオトコを名乗る男性がアンザイさんに電話をしてきて、ここのパーティを潰すとか、警察にチクるとかさんざん脅されたのだといいます。
やっぱりヘンだ。過去にはいくつももっとひどい修羅場がありました。そのぐらいのことでこんなにへこむアンザイさんではないはず。
「どいつもこいつも、あたしのこと裏切るんだよね」
ボソっとこぼすアンザイさん。
僕たちは黙々とウイスキーのグラスを傾け続けました。
割り材が何もなくストレートなので、かなりききます。
「ねえ、ゴーゴー……」
アンザイさんが僕の目をじっとのぞき込んで言いました。
「今夜は帰らないでね」
そしてはからずも僕はアンザイさんとそんなことになってしまったのです。
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