↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
00年代の「大人のパーティ」に関するお話です。
僕とアンザイさんとの関係はその後、3~4回続きました。
これまでに見たことがなかった背中のタトゥーも何度も対面することになりました。
反社の人が入れているようなやつではなかったです。
いつもパーティやその後の飲み会のときに「残って行くでしょ?」と耳打ちされて、パーティで使用した部屋に泊まるというパターン。
それはそれで楽しかったのですが、僕は何となく気が進まずに1度誘いを断ったらそれきりになりました。
なぜ、気が進まなかったかといえば、当時アンザイさんはリューくん(以前つき合っていたDV男はリョーくん。ややこしいw)というボーイズの1人とつき合っており、リューくんはアンザイさんにベタぼれでしたし、いいヤツで仲良くしていたので何となく後ろめたかったのです。
そういう関係でなくなっても僕とアンザイさんの仲は別に気まずくなることもなく、これまでどおりときどき飲みに行く友人でした。
ただ、その頃は僕の中ではパーティは完全にアンザイさんや常連さんとの飲みの場でしかなかったので、みんなが顔をそろえるようなイベントの時ぐらいしか顔を出さなくなっていました。
頻度としてはだいたい1年に2~3回ぐらいでしょうか。
だから最古参の常連さんから「アンザイさんがいなくなった」と連絡をもらったときは、まったくの青天の霹靂だったのです。
当時の僕はこれまで長年勤めた職場を離れて新たな仕事に転職するタイミングだったため、なおさらパーティには顔を出していなかったと思います。その頃はたぶんタイにも行っていません。
そのことで古参の常連さんたちが集まるというので顔を出して詳細を聞きました。
何でもいなくなる1週間前に開かれた最後のパーティでは、変わった素振りはまったくなく、突然のことだったそうです。
女性会員やリューくんらボーイズが次回の打ち合わせのために連絡を取ろうとしたところ、携帯が通じず家に行っても誰もいない。不審に思っていたら、ある日突然部屋が引き払われて空き家になっていたとのことでした。
マンションの管理人の話では、解約するという連絡は管理会社から聞いたそうで、業者が来てあっという間に片付けていったので、アンザイさん本人の姿は見ていない。荷物の送り先はどこか地方のほうで実家じゃないかということでした。
詳細な住所は教えてもらえなかったそうです。
まったく彼女らしくない幕引きでした。
アンザイさんの人脈が謎に包まれた部分も多かったことから、常連さんの中にはいろいろな憶測をする人もいました。
それ以降アンザイさんと連絡を取ったという人はいません。
パーティも当然ながら空中分解してしまいました。
彼女がなぜ突然いなくなってしまったのか、真相は未だにわかりません。
彼女の失踪を聞いたとき、僕はそれほど衝撃は受けませんでした。
でも、年月を経るごとに僕の中の〝アンザイロス〟はどんどん大きくなっていくのです。
考えてみれば彼女とのつき合いは20年近くになります。
職場や学校関係の友人を除けば、そんなに長い間定期的に会っていた友達っていないんですよね。
いつの間にか、アンザイさんの存在は僕の中ではけっこう大きくなっていたのでした。
あるとき深夜にかかって来た電話で、アンザイさんにこう言われたことがあります。
「ねえ、ゴーゴー。私と子供作ってくれないかな。認知とかしなくてもいい、私1人で育てるから」
まだ、彼女とそういう関係になるずっと前のことだったし、どうせいつもの気まぐれだと僕はまったく相手にせずに聞き流してしまったのですが。
あのとき、僕がうんと言っていれば彼女は姿を消したりすることもなかったのかも、と今でもときどき考えてしまうのです。
(おわり)
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