市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。
前回も触れましたけど、タイの性産業の特徴はその大きさだけでなく、業態の多さもあります。
まあ、日本もいろいろ取り揃えていますからね。その他の国で遊んでないとその点は実感できないかも知れません。
前出のポンパンチット先生は、タイの女性セックスワーカーはなぜその仕事をしているのか、どれだけの時間しているのかによって4つのカテゴリーに分けています。
1.ある種の束縛下にあるもの
2.家族を支えるために厳しい経済的強制の下にいるもの
3.金銭的なインセンティブの下、自らこの仕事を選んだもの
4.パートタイマーやセミプロ。他に肩書があるもの
つまり人身売買に近い(もしくはそのものの場合もあるかも知れません)形で働かされている人から、昼職あるけどもっとお小遣い欲しいからテーメーにいく人までいろいろいるってことですね。
ゴーゴーバーなど外国人観光客相手の仕事をしている女性たちは3に近いことが多いようです。田舎の家族に送金している人は多いですが、強制されている場合はほとんどなくて、できる範囲で送金しているケースが一般的、だそうです。
過去の研究者の分類によると、タイの性産業の業態はこんな感じだそうです。
・置屋
・ホテル&モーテル
・茶室
・マッサージパーラー(MP)
・コールガール、エスコートサービスなど
・バー、ナイトクラブ、ゴーゴーバー、カクテルラウンジ、レストラン
・街娼
・その他、ゴルフクラブ、ディスコ、パブなど
伝統的な置屋はタイ国内各地にあり、労働条件の厳しいもっとも低単価の業態です。
客層はほぼタイ人男性に限られます。
ホテルやモーテルに雇われている娼婦や茶室なども同様です。たいてい働いている女性は他の仕事を選ぶことはできず、健康状態などについて配慮されることもありません。
こうした場所で働くのは何らかの厳しい圧力によって、強制的に働かされているケースが多いです。
ヤワラーの冷気茶室なんて有名ですけど行ったことないので雰囲気は分かりません。
ソイ6なんかは外人相手だから、それとは全然雰囲気が違うんでしょうね。
コールガールやエスコートサービス、MPは最も単価の高い業態で客層はタイ人と外国人両方です。
管理は比較的ゆるやかで、MPの場合、出勤回数も多少は個人の希望を言えるシステムになっています。
カラオケクラブ、カクテルラウンジは日本のいわゆるクラブに似た業態で、日本人向けのものとタイ人向けのものに分かれます。
ゴーゴーバーとその周辺のバービアは、ほぼ外国人に特化した業態です。
これらの業態では働いている女性は、店ではダンサーや従業員として雇われており、えっちなサービスは建前上はあくまでオプションとなっているのが特色です。
サービスは女性と客との直接交渉により店外で行われる、というていです。その意味では女のコ個々人はフリーランサーという立場です。
もちろん実際には店がバックにいるのですが、管理は比較的ゆるく、サービスの内容も女のコの裁量にまかされる部分が大きくなっています。
当たりハズレが激しいのはみなさん身をもって知っているはずw
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