市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。
今回から第4章「ゴーゴーバーの市場論」に入ります。
あれっ、昨日までなんだっけ?って僕自身思ってますけど、気にせずに楽しんでいただければと。
これまでは売り手=ゴゴ嬢そして買い手=客との間での売買(ここで取引されるものはサービス全般であって必ずしもSEXとは限りません)について学んできました。
しかし、ゴーゴーバーという市場を考えたとき、ゴゴ嬢と客は市場に影響を与える要因の一部でしかない、と市野澤先生は指摘しています。
ゴゴ嬢と客以外に何がゴーゴーバーに影響してくるのでしょうか。
ゴーゴーバーという空間の特徴を思い出してください。
狭い店内に数十人のゴゴ嬢たちがひしめき合っており、踊っているとき以外、彼女らはかなり自由に行動しています。
好きに店内を歩き回り、また客についている女のコよりも客がいなくてヒマなコのほうが多いので、だいたい仲間内ではしゃぎあっていることが多く見受けられます。
また、接客をしている場合でも楽しそうな席に横から割り込んできたり、場を盛り上げるために親しいコを呼ぶこともあります。
このようにゴーゴーバーの店内では、どんな時間帯でもゴゴ嬢たちはゴゴ嬢同士、コミュニケーションをとり合っているのです。
ゴゴ嬢たちはプライベートでも職場の同僚たちとベッタリというパターンは多いです。これは彼女たちのプライベートの事情によるところが大きいのです。
ゴゴ嬢が仕事を終えて帰宅するのは夜中の3時~明け方5時。
昼間は寝ていて、午後に起き出して夕方5時には出勤の準備に入ります。ゆえに昼間働いて夕方以降自由になる昼職の人々とは接点がありません。
また、ゴゴ嬢たちは職場からあまり遠くない場所に1500~3000バーツぐらいの安アパートを借りて住んでいます。部屋は2人以上でシェアするケースも多く、その同居人はタイ麺の彼氏でなければ同業の友人というのが一般的です。
スクンビットやシーロムなど繁華街ではこうした物件は少なく、彼女らが住むアパートは、ゴゴ嬢や他の業態のセックスワーカーやホステスが居住者のうち高い確率を占める場合が多いといいます。
こうした仕事サイクルや住む場所によってゴゴ嬢たちは職場での人間関係をプライベートでも共有しがちなのです。
次回、ケーススタディです。
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