市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。
ゴゴ嬢にもっとも要求されるもの──、それはやっぱり若さと容姿です。
個人的にはそうでもないんですけど、ここではまあ、そうしておきます、
ルックス至上競争を建前としてゴーゴーバーが成り立っているという現実は、ゴゴ嬢たちにさらなるリスクを負わせます。
以前に本書から学んだゴゴ嬢が抱えるリスクは、病気とか暴力とか、クソ客がらみのことばかりでした。
ここで登場するさらなるリスクとは、十分な収入を得られるだけの数・質の客をつかめないというものです。
アメリカの史学者、経済学者のコーエンさんの説によると、
「他のタイにおける地下経済セクターと同様に、観光客志向の売春においても供給が需要を上回っている」
客よりも女のコが多いってことですね。で、セックスワーカーたちの収入はブレが多く、さらには偶然に左右されることが多いんだそうです。
ゴーゴーバーもその例に漏れないようです。ゴーゴーは訪れる客こそ多いものの、ペイバーする客はその一部です。
さらに、お客の多くは何軒かの店をハシゴするのが常ですから、ペイバーされるゴゴ嬢はより限られてしまいます。
従って午前2時の閉店時間を過ぎても〝売れ残っちゃってる〟多数のゴゴ嬢の姿を見ることとなるのです。
また、十分に容姿の優れたコは、ぶっちゃけゴーゴーよりも条件の良い高収入案件を選択することが可能なんだそうで、ゴーゴーには若くて美しい女のコはあまり多くはないのだと市野澤先生は言っています。
僕はゴーゴー以外はあまり知らないのでそこのところ、あまり実感がないです。そうなんですねえ。
従ってゴーゴーでは特定の嬢に需要が集中するため、多くのゴゴ嬢にとっていざというときの〝キープくん〟を確保しておくことは収入の安定のためには必須だと言えます。
定期的にお手当をくれるような愛人とまではいかなくとも、気軽に電話で連絡をとり合える顧客を持つことは非常に重要なのです。
今回のケーススタディは、容姿の衰えによって需要がなくなったゴゴ嬢がどうやってこれまでの戦略を転換して、最低限の収入をキープしたのかという例を紹介します。
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