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『 ゴーゴーバーの経営人類学』をやさしくまなぶ ㊶腐れ縁。人はときにそれを〝愛〟と呼ぶ(後編)


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『Living Dolls』(Twitterより)

 

 

市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。

 

 

今回のケーススタディは客がとれなくなるというリスクをゴゴ嬢が大胆な戦略転換によって乗り切ったというケースです。

 

【ケース10】

ランはソイ・カウボーイで働くバーガール。子供をナコンパトムの親の元に預けてバンコクへやってきた24歳だ。

 

ゴゴ嬢として働きだした当初は持ち前の愛嬌とスタイルの良さで人気があった。著者が昔、給与明細を見せてもらったときは月に22回もペイバーされていた。

 

しかし、アルコール依存の気があり、ほぼ毎日泥酔するまで飲んでいるようで、日を追うごとに仕事に影響が出てきていた。二日酔いで接客にまったく身が入らず、見た目もアルコールのせいで劣化して、あまり声がかからなくなっていた。

 

彼女の収入は劇的に落ち込んでいたが、生活態度を改めることはできなかった。

そこで彼女が頼ったのが、以前からの知り合いだったフランス人客だった。

 

彼はバンコクで働いており、かつてはランが仕事帰りに彼のアパートへ週に2~3回通う仲だった(その間、とくに代価は要求していなかったという)。

 

二人の関係は男が他のバーガールに浮気したために破綻していた。原因の一つにはランのアルコール依存もあったようだ。

 

しかしランは時おり男性と連絡をとっては部屋を訪ね、SEXをするしないに関わらず、そのたびお金をせびっていた。男性も良い顔はしないものの、お金をくれたという。

 

やがて男性は帰国することになったのだが、以後も2~3か月に1度のペースでタイを訪れる予定なのだという。

 

そこでランは一つの提案をした。ランの名前でアパートを借りて男性の支払いでキープしておき、男性がバンコクを訪れる際にはそこに滞在するというものだ。普段はランはその部屋に住みこんで管理する。

ランが見つけてきた部屋が家賃4000バーツだったので、男性としてもホテル代を考えれば悪い話ではなかったようで話はまとまった。

 

ランはうまいこと月々の家賃を浮かせることに成功したのだ。

 

 

このケースでは店内で客がつかなくなってしまったゴゴ嬢が特定の顧客を頼ることでいくばくかの定収入(住居という〝現物支給〟ですけど)をえることができた例です。

 

以前は「高回転戦略」寄りの「自在戦略」をとっていた無双ゴゴ嬢が、自身の容姿の劣化(人気嬢が酒を飲み過ぎて容姿が劣化したってどんな姿になっちゃったんでしょうね)に応じて、「選択と集中戦略」寄りにシフトした例だといえるでしょう。

 

このケースでゴゴ嬢とフランス人客の関係は、ビジネスライクなものではなく、きわめて情に訴える部分が大きいでしょう。

 

かつてはお金は関係なしにゴゴ嬢は男性のアパートに通い、フランス人もSEXのある無し関係なしにお金を渡していたわけですから。

やっぱり単なるセックスワーカーと客を超えた関係であったことと推察されます。

 

このようなケースでゴゴ嬢が男性客の心をつかむためには、計算だけでは必ずしも十分ではないのだと市野澤先生は主張しています。

 

アルコール依存でやる気のなくなったゴゴ嬢がこの男性にだけ素晴らしい接客をしたとは考えにくいです。むしろ性格的に気が合ったり、長い間に情が移ってしまったというのが正直なところではないでしょうか。

 

 

これ、ツルーラヴ?w

ここまで本書に出てきたのは、ゴゴ嬢のカネカネカネカネと計算ずくの行動ばかりが出てきましたけど、ちょっと違和感もあったんですよね。

 

目先のことしか考えていない彼女たちが、そんなに計画的で賢い行動ができるかというのははなはだ疑問だったのです。

 

彼女らは本能的にリスクを避けて得を取ろうとしているつもりでいても、やっぱり目先のあれやこれやに行動を左右されているんではないかと。

僕は常々思ったりしておりますが、どうでしょ?

 

 

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