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追悼、大林宜彦監督。『HOUSE ハウス』を観た


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あいかわらず暇なんでDVDみてます。

大林宜彦監督といえば、やはり熱狂的ファンに支持される尾道三部作が有名ですが、

正直僕はあまりピンときません。

この『HOUSE ハウス』(1977年)の方が記憶に残っています。

TVで観たのかビデオで観たのかは記憶にないけど、当時の僕にはかなりショッキングだった印象があります。

 

で、あらためて観たんで、ついでに調べてみると、実は映画史に残る画期的な作品だったんですね。作品自体はまあ、どっちかというとアレなんで評価はされてませんが。

 

というのは、この作品は大林監督の商業映画としての初監督作品なんだそうです。

で、それまで監督は何をしていたかというと草創期からTVCMの製作。

そもそも学生時代から映画は作っており、アマチュアとしては世界レベルで評価される人だったのだとか。

 

しかし、当時の商業映画は映画会社の社員でないと製作できませんでした。

黒澤明小津安二郎も映画会社の社員だった時代です。

 

当時、大林監督はチャールズ・ブロンソンソフィア・ローレンなどハリウッドスターをCMでバンバン使ってヒットを飛ばしており、有名人でしたが、本人でさえ「自分が商業映画を撮るなんてありえないと思っていた」と語っています。

 

そんな大林監督が東宝の子会社のスタッフから「『ジョーズ』のような映画を作れないか」と言われて企画したのがこの作品。

しかし、企画したときも自分が撮るとは思っていなかったそうです。東宝の社内でも外部の人間に映画を撮らせることに抵抗があったようで、企画のまましばらく放置されていたとも言われています。

 

ストーリーはこんな感じです。

夏休みを利用しておばちゃまの羽臼屋敷を訪れる“オシャレ”と6人の友人。だがおばちゃまはすでにこの世の人ではなく、戦死した恋人への思いだけで存在し続ける生き霊だったのだ。そして若返るためには少女を食べなければならない。ピアノや時計が少女たちを次々に襲い、羽臼屋敷は人喰い屋敷と化した……。

 

 

まさかの主演・池上季実子です。これは覚えてませんでした。

当時なんと18歳らしい。しかしそんなふうには見えません。

さすが、あの梶原一騎大先生も惚れ込んだ貫禄です。

なぜかまったくムダにおっぱいだしてるしw

二番手の最後まで生き残る少女が大場久美子だというのはエンドロールを見て気がつきました。こっちは初々し過ぎw

 

〝新しい〟試みで作られた作品らしく、演出なども2周ぐらい回った斬新さを感じます。

昨今のJホラーにはないスプラッターな、いやスラップスティックですな、どっちかというと。とにかくドタバタしてます。

怖いか怖くないかというとまあ、怖くないんでしょうけどww

学芸会レベルの書き割りの背景とか、セットでございというライティングも逆に味です。

『トラック野郎』とか『寅さん』なんかのパロディもあったり。

ワーキャー言いながら楽しめるエンターテインメントだとは思います。

『悪魔の毒々モンスター』をちょっと思い出してしまいました。

2周回って面白いです。