この章は本書『タイ買春読本』でも謎な部分です。
「特別編」と銘打ってチェンマイを紹介しているのですが、なぜチェンマイなのか?
この章がなければ、本書は〝バンコクに関する風俗ルポ〟としてすっきり収まったのに。
チェンマイを取り上げておいて、パタヤに関しては〝パ〟の字も出てこない放置ぶりなので「タイ買春読本」というタイトルが非常にバランスを欠いたものに見えてしまいます。
たしかに、フツーにタイの観光を語るとすれば、歴史的な都市であるチェンマイは欠かせないスポットでしょう。
都会度ではコラートに及ばないみたいですが、知名度では〝タイ第2の都市〟と扱われることもしばしばです。僕は行ったことありませんが。
在留邦人数も昔から多く、気候条件もバンコクと比べて寒暖があって過ごしやすいと評判で、リタイヤした人たちには人気の場所となっているようです。
ミャンマーとの国境とか、少数民族とか、白い肌の美女とか、旅好き的にはそそる要素も山盛りです。
でも、なーんか興味ないわ~。何でだろう。
予算の都合なのか、本編の取材記者は1名。3泊ぐらいでやっつけで回りましたというアリバイ作り感が満載です。
いちおうタイトルはそれらしく、目先をくらますべくさまざまな味付けがなされています。
「熱いトタン屋根の下で出会う愛らしき子猫たち『バン・ノン・ジャブ』置屋」
「アジアの男たち御用達、川風そよぐロリータ館『17/3』置屋」
「いわばウブな素人娘のトレーニング・センター『サンティ・タン』置屋」
「満天の星に抱かれて、チェンマイ美人と夢を見る『サコドゥアン』置屋」
「ブーゲンビリアの門をくぐれば、美少女の園『インター・カフェ』置屋」
よくぞこれだけいろいろなタイトルをつけられたなあと感心してしまいます。
中身はというとほとんどありません。タイトルですべて出し切った感じです。
ルポの内容は、おおむねトゥクトゥクに揺られて郊外の一見すると普通の家のような場所に連れて行かれて、十人ぐらい女の子を並べられ、その場でショートあるいはホテルへお持ち帰りのロングのいずれかを選ぶという流れです。
女の子の写真も何人か登場しますが、まったくそそられません。
取材してる記者も決して楽しくはなさそうです。(←それが一番)
置屋好きの人ってけっこういるけど、僕はどうもあまり好きになれないんですよねえ。
僕もかつては昔日の放蕩者が遊郭に入り浸って淫靡な日々をおくったというのに憧れて、スワイパーに毎日入り浸っていた時期もありましたが、思ったほど楽しくなかったです。
だからか、どうも置屋ってピンと来ないんです。
パタヤのソイ6あたりもそそられません。
やっぱりゴーゴーがいいやw
本編ではチェンマイのMPやゲイバーなども紹介されていますが、ひととおりさわりを紹介するにとどまっている印象です。
現在の実際のチェンマイの風俗事情はどうなっているのか、ネットで簡単にチェックしてみると、ひととおりのものはそろっているようですが、そのためにわざわざ行くほどのレベルではないようです。
あくまで当地は観光がメインで、ついでにちょっと遊べる程度のもののようです。
レベルが今ひとつなわりにお値段はそこそこらしい。
ボッタクリも横行しているみたいだし。
また本書で取り上げているほど置屋だらけという感じではなさそうです。
むしろメインはMPとカラオケみたいですね。もしかすると時代の流れで置屋は壊滅しているのかも知れません。
ゴーゴーは一軒だけ評判が良いところがあるみたいで、これは個人的に興味がありますね。
でも、それだけのために半日かけて行くのもなあ。
やっぱり純粋に観光を楽しみに行ったほうがいいようです。
さて、長々続いた『タイ買春読本』研究もそろそろ終盤です。