僕がまだ学生だった頃だと思います。
なぜか一時期ストリップにハマっていたことがありました。
どれぐらいのペースで行っていたかは分かりませんが、たまーに1日ぽっかりと暇ができたりすると、行ってました。
いっぺん入場するとだらだらと4~5時間ぐらいいられるのがいいんですよね。
ショーはお姉さん一人あたり3ステージぐらいあって、登場するのがだいたい8~10人ぐらい。それが1日3公演ぐらいあるんですが、どこからでもから入れるので、適当に入って長いときは2公演ぐらいコンプしちゃったり。
場所はだいたい池袋か新宿。人気ストリップ嬢が出るような小屋ではなく、場末感のあるところがお気にでした。
そういうところって嬢はかなりベテラン勢のラインナップだったりするんですよねえ。黒かったりニワトリのくちばしの下みたいにびろーんとなっていたりして、観ていてちっとも興奮しないんですけどね。
スタイルも短足胴長の方が結構多くてお腹もちょっと出ていたりして、さらには踊り子なのにダンスが微妙だったりして。
こうやって書いていてもまったくコーフンする要素がないんだけど、なんであんなに行っていたのか。もしかしたら後年ゴーゴー好きになる何かの要素がこのころから芽生えていたのかも知れませんw
僕がよく通っていた数軒の中でも、最も場末感たっぷりだったのが池袋西口にあった『スター座』という小屋でした。
登記所通り沿いの地下にあったんですけど、僕が行っていた小屋の中でも狭くて暗い場所でした。ストリップってたいてい狭いんですけどね。あそこはさらに狭かったです。
僕が通っていたような小屋は、若くてキレイなお姉さんはいないんですが、生板やタッチショーなどのサービスがありました。
中には〝スペシャルサービス〟と銘打ってステージの袖で手コキで抜いてくれたりするところもあるんですが、このスター座では個室で本番が出来るというスゴイサービスがあったんです。しかもそのサービス料は¥3000。
バーツ建てにしたって1000バーツ弱。しかもバブルの時代の東京ですから、どんだけ安いんだか。
貧乏な学生にとっては相当に有難いお話です。当時、穴があったら入れたかった年頃真っ盛りの僕は何度かお世話になりました。
サービスが始まるときはアナウンスが流れます。すると、入口に行って¥3000払ってチケットみたいなのをもらいます。そして個室に行くというシステム。
〝個室〟は客席後方の小さいドアを開けたところにある、物置のような4畳半ぐらいのスペースでした。
やけに天井が低いコンクリート打ちっぱなしの部屋の照明は裸電球で、部屋の中にはマットレスが一枚どん、と置いてあるだけ。拉致された人が監禁されるような部屋でした。
相手をしてくれるのはタイ人。わりと若くてカワイイコだった印象です。
なんといっても¥3000なんで、そんなにあれこれ出来るわけではありません。
ちゃちゃっとしちゃう感じの文字通りの〝ちょんの間〟です。
でも、そんなにあたふたとやった記憶がなくて。あれはダメとかこれはダメとか言われた記憶もありません。そこそこ充実感あったんですよね。
印象的だったのは、やたら明るいコが1人いたんです。
ペコちゃんを浅黒くしたような童顔で、ちょうどいいおっぱいとちょうどいいお尻。責めるとちゃんと手応えもあります。
なぜか、している間中ハッピーな感じでした。
遠く日本に来て、こんな場末のストリップ小屋の物置みたいな場所で体を売らされているのに。場合によっては行列が出来たりして従軍慰安婦状態なのに。
それでも彼女は楽しそうで、そんな彼女とできる僕まで幸せな気分になってしまうくらい。
すっかり彼女が好きになってしまった僕は、何日かしてまた来てみたのですが、個室サービスの担当者は別の女のコになっていました。
このサービス、何回かやっていたんですがそのうちあまりやらなくなってしまいました。そして、バブル末期の頃、立ち退きにあってスター座はなくなってしまいました。
最後に行ったとき、かなり立ち退きに抵抗したのでしょう、夏なのに冷房が使えなくなっていて、場内のあまりの暑さにステージの上ではベテランのお姉さんがブチ切れて踊りを放棄して悪態をついていました。
汗をだらだら流しながらキレている女に優しい声をかけた最前列のお客のオジサンがめっちゃカラまれていた光景は今でも覚えています。