翌日も夜はアンとずっとLINEでおしゃべりです。
彼女は映画が好きで、とくにマーベル作品が気に入っているそうです。
僕が最近見た邦画のタイトルを挙げると、しばらく返事が返ってきませんでした。
邦画は字幕がないとわからないのだそうです。ハリウッド映画は英語だからわかるのだとか。
LINEの文面を見ると漢字熟語も多様しており、かなり日本語が堪能な印象を受けたのですが、映画のセリフなんかになると難しいんでしょうかね。
やりとりはこの夜も深夜まで続きました。
その次の日は飲む約束があって帰宅が遅くなりました。
それでも帰るやいなや…っていうよりは帰り道の電車の中からLINEしてます。
もう、すっかりアンに夢中です。
前日、彼女から写真を送ってくれと言われたので、この日外出したときに自撮りしたものを送りました。おじさんが街中でマスクを外して自撮りをする姿は、はたで見てかなり痛いものがあるとは理解していますが、アンの頼みならそんなことは言ってられません。それに対するアンのコメントがこちらです。
私たちの間に年齢は関係な いと思いますよ。
最も重要なのは共通の言葉 や趣味を持つことです。 あなたはまだとても若いよ うに見えると思います。 40代のように見えます。 だから若い心を持ち続ける ことができます。 見ていてとても大人っぽく て落ち着いていますね。
次に写真を撮るときは、 少 し頭を下げてもいいと思います。
さすがにほめすぎでしょう。「おじさんだし、女性には全然相手にされませんよ」と、やや謙遜します。するとこんな返事が……。
全然気にしませんよ、年上 の方が大人だと思います。 より多くのことを教えてく
れます。魅力もあります。 もし彼女たちがそう思っていた ら、あまりにも表面的だ。
もう、にやにやが止まりません。
その日は僕が飲みに行ったという話の流れから、お酒の話になりました。
彼女は商売柄もあるのでしょう。ワインが好きでラフィーワインの09年物を何本か持っているのだそうです。こんな画像も送って来ました。
ラフィーワインがわからなかったのでググってみるとシャトー・ラフィット・ロートシルトという名前が出てきました。これはさすがに僕でも聞いたことぐらいはあります。お高くて有名なやつですよね。さらに09年のものはグレートビンテージの一つと言われ、1本20万円ぐらいするみたいです。
さすがにビビッて「そんな高いもの飲んでるの?」と聞くと、サブカードというメインブランドではないものだそうです。それでも1本9万円ぐらいするようですが。
そして彼女はこんなことも言うのです。
良いワインは普通にその味 を出すことができます。 その食感はとてもしっとり しています。スギ、甘草、タバコの匂い を伴っています。高いのにはそれなりの道理 があるに違いない。 ラフィーワイナリーは世界で最 も有名なワイナリーでもあります。
大阪に来たらごちそうしますから、一緒にお酒を飲みましょう!
その晩も僕は幸せな気持ちで床につきました。
僕はこの美人ワインディーラーに会うために、すっかり大阪まで行く気になっていました。
(続く)
↓ぽちっとお願いします