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『ゴーゴーバーの経営人類学』をやさしくまなぶ ⑤なぜタイは夜遊び天国となったのか その1


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’70年代のNANA交差点。交番は今もあるやつだそうです。

 

 

市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。

 

 

美しい海だったり、手軽に食べられる美味しい料理だったり観光大国・タイの魅力は夜遊びだけではありません。「そんなもん興味ないよ」なんて言ってるとバチがあたります。あ、僕か;;;

 

しかし、やっぱり外せないのは夜遊びの充実ぶりです。

タイがそんな世界でも有数の〝オトナの遊び〟天国となったのはなぜでしょうか。

 

いちおう研究者の間では次の4つの要因があげられることが多いみたいです。

そのまま引用するとこんな感じ。

 

1.伝統的な性的規範

2.経済発展、所得格差の拡大と女性の伝統的な役割

3.国際観光産業の発展とセックス産業の結びつき

4.ケア労働の越境・国際化と階層化

 

さっぱりわかりませんねw

1つずつ説明していきましょう。

 

1.伝統的な性的規範

タイ社会での女性の役割には地域によって差があるそうです。

その中でも、地方の貧しい人たちの間では、いわゆるダブルスタンダード的な現象が見られるのだそうです。

 

タイでは一般的に女性は男性よりも社会的、政治的に弱い立場にあります。

その力関係は仏教的な女性観に基づくものです。

すなわち、女性に生まれたこと自体が前世の功徳が足りなかったということらしい。

SNSで言おうものならめっちゃ炎上しそうですよね。

そしてそれが女性を風俗という汚れ仕事へ追いやる背景になっているんだそうで。

 

しかし、ある調査では男性の多くが相手が処女であるかを気にしている、という結果が出たそうです。女性が婚前交渉することは一般的にはタブーなのです。

その一方で男性が〝遊ぶ〟ことはオッケーで、むしろカッコいいという価値観すら。実際に男に関しては婚前交渉はあらゆる階層で普通に行われています。

 

つまり、〝処女と結婚したいけど、SEXする相手は必要〟だということですね。

妻・娘にSEXしちゃいかんと言う一方で、外で自分がSEXする女性は必要だという、女性からしてみればかなり理不尽な理屈ではあります。

 

そしてそこに性風俗の需要が生まれてくるというわけです。

 

 

2.経済発展、所得格差の拡大と女性の伝統的な役割

戦後から’97年の通貨危機までタイの経済は右肩上がりに発展し続けてきました。

しかし、産業としてとくに発展したのは工業です。人口比ではもっとも大かった農業は衰退し続けて、都市と地方での収入格差はどんどん大きくなっていきました。

 

その一方でTVで見る都市生活は庶民の憧れの的となり、自給自足で食べることには事欠かなかった農村でも現金が必要になってきます。

こうして北部・東北部の農民がバンコクへ出稼ぎになだれ込むようになりました。

 

1では女性が社会的・政治的に弱い立場にある、と書きましたが、男女の役割はわりとあいまいで女性が積極的に経済活動をして家計を支えているケースは多いです。

タイの女性の理想像は〝良き母〟ですが、タイ的にそれは母として子を産み、育てるだけではなく、経済面でも家庭を支えることも入っています。

 

また、女性は出家できないので、宗教的には女性が功徳を積むためには息子を出家させる以外にありません。娘の場合は、社会的に立派な仕事につくよりも、両親を経済的に支えることがもとめられるのです。

 

このような期待を背負った女性たちが現金収入をもとめてバンコクなどの都市部に追いやられて行くのは自然のなりゆきといえます。

 

こうして女性は出稼ぎに出ることとなり、バンコクにおける出稼ぎ労働者は男よりも女の方が多いという状況を招いているのです。

 

しかし都会に出てはきたものの、北部・東北部の農村出身者は中学校すらまともに出ていない人も多いです。おのずとできる仕事は限られます。

するとやっぱり手っ取り早く稼ぐためには風俗の仕事を選ぶことになるのです。

 

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