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ゴーゴーバーの経営人類学』をやさしくまなぶ ㊼男はなぜゴーゴーバーに魅せられるのか(前編)


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今は無き『Cascade』ここもLB店(facebookより)

 

市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』(03年)の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。

 

 

タイのカントリーガールたちがゴーゴーバーに魅せられるのは、そこが仕事と遊びのごっちゃになったトレンディ(00年当時のタイ的に)でシャレオツな魅力を持った空間だと感じているからだ、というのが前回のお話でした。

 

では男性客はなぜゴーゴーに魅せられるのか。

 

ここからは市野澤先生の見解です。

 

男性客の側も必ずしもSEX目的でゴーゴーを訪れているとは言い難いようです。

ゴーゴーは建前上では飲食店の一種にすぎませんが、訪れる人もやはり飲むのが目的でむしろペイバーする人は少数派と言えます。

 

それはMPやエロマなどのほうがシステムもわかりやすく、確実にサービスしてもらえるため、本当にえっちなことがしたい人はそちらを利用する傾向が強いからです。

 

とくに長期滞在者はそれが顕著で、短期旅行者の場合でも早い時間はそちらに行ってその後ゴーゴーやカラオケに流れるパターンが多いようです。

 

ではそれでも人々がゴーゴーバーに訪れる理由は何なのか? 

SEX以外であげるとすれば、非日常的な楽しさでしょう。

 

多数の女性の裸体を眺めながら酒を飲む、あたりの女のコに手当たり次第声をかけてもお尻を触っても怒られない、日常の社会では考えられないシチュエーションです。

 

また、相手は言葉も文化も違うタイ人なので、何が起こるかわからない、少し危険な楽しみもあるかも知れません。

 

さらに多くの男性客は、ゴゴ嬢やスタッフにコミュニケーションを求めることが多いようです。

 

タイ語ができなくても、片言の英語や指差し会話帳で女のコと話をしようとする客は、ひたすら黙ってステージをガン見している地蔵客よりも多いのではないでしょうか。

 

とくにリピーターの場合は馴染みのゴゴ嬢がいるので、単にSEX目当てにやってくることはさらに少なくなる傾向があります。

 

そこではその場を楽しく過ごすことが一番の目的であり、むしろ客というよりは、ゴゴ嬢たちのように仕事とプライベートの境界がごっちゃになったお友達空間に近いものなのでしょう。

 

こうした意識はしばしば友愛を超えたツルーラブに発展することも少なくありません。時には結婚に至る場合もあるのです。

 

 

(ここからは感想)

このブログの元ネタである『ゴー経』は02年ぐらいに取材されたお話なので、事情はいろいろ変わってきているようにも思えます。

というのは、ちょっとえっちな雰囲気をサカナにお酒を飲むにはゴーゴーはお高くなっていて、バービアに行く人が多いようにも思えます。

また、僕が知っている短期滞在のお友達は、程度の差こそあれSEXそのものが目的な気がするんですよね。

ステージガン見の地蔵客である私、ゴーゴーがゴーゴーバーに魅せられる理由は、もちろんSEXではありません。非日常と酒…その点では市野澤先生のおっしゃるとおりです。

 

次回はケーススタディ。

 

 

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