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『タイ買春読本』研究(その2)パッポン編


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『タイ買春読本』より

94年に発行された『タイ買春読本』。

「まえがき」で自らが語っているとおり、〝タイの夜の顔〟を真正面からルポした本は初めて見た気がします。

当時の状況をそれほど記憶しているわけではないのですが、ネットもまだ草創期です。

あのGダイアリーの創刊ですら99年です。

まだそれは雑誌とか、ネットの一部、もしくは口コミで細々と語られるだけの断片的な情報だったのではないでしょうか。

 

では、具体的に内容を見てみましょう。

第1章のテーマは「ゴーゴー・バー」。その書き出しは次のように始まります。

 

Tバックのヒップが揺れて

熱情の国際歓楽街パッポン

バンコクドンムアン空港からタクシーに乗り、スクンビット通りソイ5にあるフォルチュナ・ホテルに着いたのは、午後8時近くだった。

我々〝バンコクの夜〟取材班は、50代の先輩と30代3名、20代1名の計5名のスタッフである。」

 

以下、夕食にタイすきをやっつけた後にパッポンのゴーゴーバーに繰り出した筆者の体験ルポが続きます。

 

「店内は薄暗い。中央にある踊り場だけが明るく、周辺のカウンター席やシートには照明が当たっていない。

 客のほとんどが白人で、パラパラと10人くらい見かけた。我々5人は、馬蹄形のカウンター席に並んで座った」

(略)

「すると、いつの間にやら女の子が後ろから手を肩にかけてきた。5人にそれぞれ1人ずつ、「ハァーイ」と笑顔を見せている。

 僕の相手は、ロング・ヘアでワン・ピースの水着姿。面長で、目鼻立ちがくっきりしていた。ちょっとバタ臭い雰囲気がある。

「ジャパニーズ?」

「イエース」

 とお決まりの挨拶をすると、彼女は僕の隣の椅子に腰掛けた。椅子といっても、カウンターの丸椅子だから、座面が小さくて密着度は充分だ。」

 

多少、時代を感じる言い回しなどもありますが、それも味ですね。

 

 

本書では本文にくわえて脚注がついており、細々とした説明が添えられております。

これがかなり親切なんです。

例えば、〝タクシー〟の脚注。                                                                                

「税関を抜けて到着ロビーに出たほぼ正面に、リムジン・タクシーのカウンターがある。ここでホテル名を告げて料金400バーツを払う。タイ語で書かれたチケットをくれるので、それを持って外のタクシー乗り場に行き、チケットを係員に渡すと(略)」

等々、かなり細かく具体的な説明がついている。昔の話なので今では使えない内容もあるけど。

 

他にも、レディースドリンクの脚注として、

「気に入った女の子なら何杯おごったってかまわないが、女の子の方も何杯も飲んでいるとお腹がガボガボになってくる。3杯目くらいからは、同じ50バーツを出すなら、直接女の子にチップとして渡したほうが女の子も喜ぶ」

 

 

とか、

女の子を連れ出そうという場面の脚注には、

「連れ出す気も出ないような子だったら、はっきりとノーと言うこと。(略)ただし、気に入った子だったら、逆に気のないふりをして〝高いんだったら連れ出さないよ〟という態度で交渉すれば、ふっかけられなくてすむ」

 

 

など、親切すぎるアドバイスに満ち満ちています。

本文では『KISS2』『KING’S CORNER』の2店に潜入後、再び『KISS 2』に戻ってペイバーした〝欧陽菲菲似の女の子〟とホテルで一夜を過ごす様子が描かれます。

 

つたなくもピュアさを感じるコミュニケーションは自分が初めてペイバーしたときのそれを思い出してしまいます。

 

初めてゴーゴーを訪れる人が読めば、ひととおり何をすれば良いのかがすべて書かれています。

 

ただし、20年以上前の本なので、値段設定はかなり懐かしい感じになってます。

レディースドリンク50バーツだし、ロングで2000とかいってるし。

 

あと、本書に当時の地図も掲載されていたのでトップに貼っておきました。

参考までに。

パッポン、10年ぐらい行ってないからわからないや。

 

5/14追記:最近のパッポンの地図を追加しました。

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『G-DIARY』'16年10月号より