06年の春になりました。GW休みは恒例の訪タイです。
この当時はなんだかんだ言ってもレインボー系大好きだったみたいで、初日はR1に行っています。R3に顔を出したのは2日目。
いつもの面子に一通り挨拶の乾杯をして相変わらずゴゴ嬢抜きでの飲みです。
ペイバーを迫られずに済むのはいいんだけど、結局同じぐらいお金を遣っているように感じるのは気のせいでしょうか。
そしてこの日もヤムは僕の席に陣取って仕事なんかしやしません。
たまに他のウェイトレスに怒られると、申し訳程度にフロアを一回りしてまた戻って来ます。
そしてこんなことを言うのです。
「ゴーゴー、明日一緒に飲みに行かない?」
(お前と一緒に飲むって、要するに今ここでやっていることだよね?)
何となく僕にはひとつもメリットがないことのような気もしますが、もしかすると僕が知らないような面白いところに連れて行ってくれるかも知れません。
僕は彼の誘いに乗ってみることにしました。
「じゃあ、7時に店で」
その後はその日も例によって馬鹿飲みしてホテルに帰りました。
そして翌日。
R3に行ったのは8時過ぎでした。それでもこの日は一軒目です。
ヤムは7時って言っていたけど、そんな時間からここで飲んだら宵の口のうちに死んでしまいます。8時ぐらいからゆっくり飲んで10時ぐらいにヤムをペイバーして出かければいいか、と。
しかし、ヤムの姿が見当たりません。
バカボン姉妹の妹が近くにいたので聞いてみます。
「ヤム?今日はお休みよ」
ええ~っ。約束しておいてどういうこと?
わけがわからないまま、仕方なく一人で飲んでいると入れ替わり立ち代わりやってくるウェイトレスたちが口々に「ヤムと遊びに行くんだって?」とか「どこに行くの?」などと聞いてきます。何でそれを知ってる?
めずらしくゴゴ嬢も僕のテーブルにやって来ました。
いつもドリンクを飲むだけ飲んだらいなくなってしまう人気ゴゴ嬢です。この店に来ると最初はよくいるのですが、だいたいいつもペイバーされてい亡くなってしまいます。色白グラマー、そして少し細くて吊り上がった目がエロさ満載なのでセクシーちゃんと勝手に命名して心の中で呼んでいます。
そんなセクシーちゃんまでがめずらしくしなを作ってこんなことを言うのです。
「私も遊びに行きた~い。私もお休みにしてってママに頼んだんだけどダメだっていうのよ~」うん、僕はむしろヤムよりもキミと遊びに行きたいんだけどな。
セクシーちゃんいわく、どうやらヤムは一度店に顔を出して休みを申請したとのこと。そのときにみんなに僕と飲みに行くんだとふれて回ったようです。
(そうか、ペイバーさせちゃ悪いと思ってわざわざ休みをとってくれたのか)
そんなことを勝手に想像して、思いがけないヤムのやさしさに僕はちょっとジンときてしまいました。
それにしてもヤムは来ないなあ。
(続く)
↓ぽちっとお願いします